円キャリーではない、バフェットキャリーだ
~日本資産デフレの最終章~

【ストラテジーブレティン(308号)】

日銀YCC 政策に挑戦したヘッジファンド
世界の中央銀行が軒並み金利引き上げに走る中で、唯一緩和姿勢を厳守している日銀との対比が鮮明になっている。この世界トレンドから孤立したイールドカーブコントロール (YCC)という日銀政策に無理があるとするヘッジファンドの投機ポジションが、市場を揺さぶっている。英ヘッジファンド、ブルーベイ・アセット・マネジメントは10年国債利回りを0.25%に抑えるYCCは円の急落を招き、日銀は円安阻止のためにYCC政策の放棄と10年国債利回りの上昇を容認せざるを得なくなると読み、日本の国債売りを仕掛けている。

中央銀行の政策にヘッジファンドがチャレンジするという事態はG・ソロス氏のイングランド銀行(BOE)への挑戦を思い起こさせる。今回も1992年当時と同様に日銀がヘッジファンドに敗れ金融政策の変更を余儀なくされるとの観測が市場を不安定にしている。実際 、 日銀のYCCの外にある超長期債利回りは、急上昇し、市場金利に大きなゆがみが表れている。世界金利のアンカーである日銀がヘッジファンドに敗れて政策変更を余儀なくされれば、その連鎖は世界金融市場を揺り動かす。円売り、日本国債売り、株売り、まさに日本売りだ、日銀売りだ、と言う投機筋の声が聞こえる。

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