日本産業復活の神風、円安がやってきた!!①
~不可逆的 130円/ドル、ハイテク産業集積復活の道筋~
【ストラテジーブレティン(304号)】
円が1ドル131円までの急落となり、武者リサーチが過去10年にわたって主張し続けてき
た長期円安の時代の到来が明らかになった。円安の底流には、①高金利に堪え得る米国経済の突出した強さ、②米中対立・中国排除のサプライチェーン構築・そのキープレイヤーとしての日本の産業競争力復活が必須となり、その推進力になる円安が米国国益に直結した、という2大要素がある。これらの洞察なしに、短期・表面的に、円安が良いか悪いかの議論をしても意味はない。日経新聞は「悪い円安」キャンペーンを張っている。「悪い円安」の発現で、超金融緩和を続ける黒田日銀が窮地に陥っている、と悲観論を煽っているが、間違っている。
米国経済の圧倒的強さ、ウクライナ戦争で一段と熾烈さを増す米中対決の下で、円安進行は不可逆的であろう。それは企業業績の向上をもたらし、日本の産業競争力を大きく強めていくだろう。年初からの2割の円安は2割の日本株高に結び付く。「円安短命論」も、「悪い円安論」も早晩消え去っていくだろう。
今回は2回に分けて「日本産業復活の神風、円安がやってきた!!」をレポートしたい。
ストラテジーブレティン(304号)2022年5月2日
日本産業復活の神風、円安がやってきた!!①
~不可逆的 130円/ドル、ハイテク産業集積復活の道筋~
(1)通貨高が国力を衰弱させた大英帝国と日本
(2)日本病の根本原因円高が終わり、日本を癒す円安が始まった
ストラテジーブレティン(305号)2022年5月6日発行予定
日本産業復活の神風、円安がやってきた!!②
~見えてきた日台産業協力~
(3)TSMCをコアとする日本ハイテク復活、130円の円安が推進力に
(4)日本にハイテクの産業集積 (つらら)を作るには円安は必須