総悲観からの大転換が近づいている
~アルゴ手法による箱田氏との相場展望論議~

2019/03/27

【ストラテジーブレティン(222号)】

箱田氏の価格指標による短期展望と武者リサーチの長期ファンダメンタルズ分析のコラボ

Q) 世界の株式市場は、1~2月の急反発場面を終え、足踏み状態です。3月22日のNY市場では、NYダウ工業株は460ドルの下落、前日比マイナス1.9%と、今年2番目の大幅下落になりました。続く3月25日の日経平均は650ポイント、3.01%の急落となりました。これが潮目の転換点なのか、単なる踊り場に過ぎないのか、今回は、独自のアルゴリズムによる短期市場予測の箱田メソッドを主催している、金融データソリューションズの 箱田 啓一 社長をお迎えして、展望を考えていきたいと思います。箱田メソッドは昨年の2回の急落をピンポイントで的中させ、注目を集めました。それでは最初に、武者リサーチの見解をお願いします。

3月末の急落は絶好の買い場
武者) この下落は長期上昇相場の踊り場、絶好の買い場になる可能性大、と考えています。理由は世界経済がリセッションに陥ることはなく、むしろ今後米国・中国経済ともに浮揚力を強めていく可能性が極めて高いと考えるから。①去年の下落要因の懸念はほぼ消えた(米国金融引き締め、米中摩擦、中国景気失速)、②米中とも政策は景気てこ入れに大きくシフト、③昨年末の株価暴落が引き金となった自己実現的経済悪化が唯一最大の懸念であったが、経済心理はほとんど悪化せず、米国中国とも株価は下落の大半を2か月で回復した、④人々の過剰悲観は強く、それはかえって強気要因、等が理由である。もし当社のそうした見方が正しいとすれば、今後の株式市場には大きなポジティブサプライズが待っているのでは。

Q) それでは箱田社長、箱田メソッドに基づくと先週の下落をどのように評価されるのか、お聞かせください。なお箱田メソッドとは、過去の価格情報から独自のアルゴリズム解析が探り当てた規則性を基に短期市場をどう考えるか、と言っていいですね。

警戒すべきは5月初旬
箱田) 箱田メソッドに関してはそれで結構です。それではFDS(金融データソリューションズ)による、3月22日の相場下落の解釈を行いたいと思います。直近の急落は上昇相場の踊り場、むしろ絶好の買い場なのでは、との結論です。図表1は当社のアルゴリズム解析による日経平均の近未来予測ですが、3月末から堅調相場が5月連休中まで続き、5月初旬にあり得る米国株の調整場面での警戒期間を経て、6月にかけても上昇する可能性が強い、という結果です。図中にある3つのシナリオは過去の類似パターンから検出された相場トレンドで、最も確率が高いメインシナリオが箱田メソッドに近い形状となっています。

箱田メソッドでは3月22~25日の日米株価急落は予想できませんでした。ただ、米国10年債利回りの急低下は予想していました。10年債利回りの急低下が長短金利逆転をもたらし、それがアルゴリズムの売り指令の引き金を引いた可能性があると思います。ただ箱田メソッドで予測できなかったということは、株価下落が過去の規則性から大きく乖離しているということなので、下落にファンダメンタルズの根拠がなかったとすれば、それは逆の修正もあり得ると思われます。米国ダウ工業株は5月初旬までに史上最高値を更新すると予測されます。箱田メソッドはSea Change(相場の転換点)とPoisson(相場趨勢)の二つを出力としていますが、米国株式は5月10~14日に天井の潮目を形成すると予想されます。

ドル円レートを箱田メソッドによって予測すると、しばらくの円安基調のあと、5月10日以降に円高転換する、5月末に再度円安転換の潮目が到来する、となります。図表2は過去の類似パターンから検出される短期相場パターン予想です。

>>続きはこちら(1MB)

株式会社武者リサーチ
武者ストラテジー   株式会社武者リサーチ
「論理一貫」「独立不羈」「歴史的国際的視野」をモットーに、経済と金融市場分析と中長期予想を目的とし提供していきます。
著作権表示(c) 2013 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。

このページのトップへ