FM 今週のポイント(2月15日)

2016/02/15 <>

*日経平均株価15000 円割れです。昨年12 月初の20000 円から短期間で5000 円(25%)の下落です。この急激な下落を想定できなかったことを反省する必要がありますが、とりあえず、下落の要因と今後の展望を再度考えてみたいと思います。年初から急落して1月21 日に16000 円レベルまで下落しましたが、ここまでは実体経済の悪化に基づかない投機的な売り仕掛けが中心であったと思われます。原油安を背景とした産油国を中心とした財政難、中国景況感の悪化を喧伝した売り方のリスクオン相場です。1月29 日に日銀がマイナス金利を導入したことを好感して一時的に反転、17900 円台まで上昇する場面がありました。しかしマイナス金利効果は続かず米国景況感の停滞、米国利上げの後ずれを織り込んで円高が進行、再度17000 円割れを見たのは2月5日のことです。ここまでは想定の範囲内、相場のリズムです。しかし、2月9日にドイツ銀行等、欧州の銀行株が大幅下落となったことから(エネルギー関連企業へのエクスポージャーが大きく貸し倒れるリスク、デリバティブの巨額の損失、債券の利払停止等の噂)第二のリーマンショック到来への懸念が現実味を帯びてしまいました(あくまでも漠然とした懸念)。よくよく考えてみればリーマンショック時には世界的に金利が存在しました⇒各国中央銀行は金利を削りながらマネタリーベースを拡大するという手段を持っていました。しかし今度、○▲×ショックが再来したら金融政策当局に打つ手はありません。これが今回のマーケットの動揺の根幹と思われます。裏返して言えば中央銀行への不信感です⇒マイナス金利にしても量的金融緩和を行っても一向に景気が上向かない、しかも重要な局面で利上げというミスを犯す。しかもミスを認めず、再金融緩和に踏み切れない(実際、FRB が12 月利上げの拙速を認めて3月声明で再金融緩和色をにじませることは難しいと思われる)。そこをショート筋に衝かれ戦果を大きくさせた背景です(戦果が大きくなり一段とリスク許容度を上げている)。そしてリスク資産の下落継続・長期化が実体経済を本当に傷つける可能性を高めています(ドイツ銀行も現状では問題ないが、現状のマーケット状況が継続すれば最悪の事態も想定される)。

*現状のマーケットを転換させるには中央銀行を中心とした主要各国の協調が重要です。現状の中央銀行が取っている政策の限界論(不信任を含め)を覆すバズーカを放つ必要があると思われます⇒米国のQE4を含めて日欧米中の積極的金融緩和継続です⇒とにかく世界的な過剰流動性モメンタムを再拡大させることです。そしてマーケットの守護神としての中央銀行の権威を復活させることです。先ず、FRB には早期の政策転換をお願いしましょう。ECB には断固としてドイツ銀行等の欧州銀行を守ってもらいましょう。黒田さんには逐次投入ではなく以前のバズーカを復活させてもらいましょう。そして中国には財政の大盤振る舞いを期待します。いずれにしてもどこかでショートカバーがかかります。楽観も悲観もせず冷静に対処したいと思います。

 

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