「リモート飲み会」で冷凍食品再注目?
日本において新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」が到来している。
外食産業振興のためのキャンペーンである「Go To Eatキャンペーン」にも影響が起こっている。
すでに東京都をはじめとする一部都道府県においては「Go To Eatキャンペーン」食事券の新規発行停止、発行された食事券等の利用を控える旨の呼びかけなどがなされている。
また北海道、茨城県、東京都、愛知県、大阪府などでは酒類提供を行う飲食店等に対して営業時間短縮等の要請が出されている(参考記事)。
「緊急事態宣言」が出された4月以降、いわゆる「宅飲み」「リモート飲み会」がトレンドとなった。「宅飲み」の際に活用されたのが冷凍食品である。宅飲みで使える冷凍食品を紹介するサイトも多く登場した。
冷凍食品関連銘柄としては、マルハニチロ(1333)、ニチレイ(2871)、テーブルマーク(JT(2914)完全子会社)、味の素(2802)、日本水産(1332)の5社が75パーセントのシェアを占めている。
マルハニチロ(1333)
マルハニチロはカップグラタンなどお弁当の具材を中心に冷凍食品を展開している。
(図表:マルハニチロ(1333)終値(2020年))
(出典:みんなの株式より筆者作成)
ニチレイ(2871)
ニチレイは焼きおにぎりやグラタン、たい焼きやワッフルといった家で手軽に食べられる冷凍食品を中心に展開する。
(図表:ニチレイ(2871)終値(2020年))
(出典:みんなの株式より筆者作成)
味の素(2802)
味の素はハンバーグや餃子といった食卓のおかずにもなる冷凍食品から冷凍フルーツなど、お弁当に限られない幅広い冷凍食品を展開する。
(図表:味の素(2802)終値(2020年))
(出典:みんなの株式より筆者作成)
日本水産(1332)
日本水産はきんぴらごぼうやひじきの煮つけなどの和惣菜から揚げ物まで幅広い年代に対応するお弁当の具材を中心に冷凍食品を展開する。
(図表:日本水産(1332)終値(2020年))
(出典:みんなの株式より筆者作成)
(テーブルマークについてはJTの事業全体の割合から業績への寄与が少ないため省略。)
上記4銘柄のグラフから見られるように、どの株も「緊急事態宣言」前後の4月上旬に株価は上昇している。
11月以降、重症者数/死亡者数の増加の増加が指摘されている。
こうした中でGo To Eatキャンペーンの停止が続けば再び「宅飲み」「リモート飲み会」の増加も考えられよう。オンライン上での新しいコミュニケーションのあり方に人々が慣れてきた中で、長期で保存ができ手軽に楽しめる冷凍食品には改めて注目が集まるかもしれない。
グローバル・インテリジェンス・ユニット リサーチャー
佐藤 奈桜 記す
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