アムンディ・ヨーロッパ通信~割安感が強まった欧州ハイイールド債

2019/02/01 <>

受難の年

18年のハイイールド債市場は、多くの市場の収益率がマイナスに落ち込んだのと同様、厳しい環境でした。特に、欧州市場にとっては「受難の年」であったと思われます。年間収益率は、11年以来7年ぶりのマイナスとなり-3.3%でした。米国もマイナスでしたが-2.3%にとどまり、対米比較では16年から3年連続で劣後しました。18年は、世界経済の減速が意識される中、輸出の恩恵が大きい欧州の景気減速が目立ち、企業信用への不安感が高まりました。また、Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)の交渉難航、中心国の政治不安など、経済外的リスクが増大したことも影響したと見られます。

経済外的リスクは逆指標?

ハイイールド債指数を米国との比較で見ると、18年半ばから劣後度合いが強まり、17年末を基準にすると、現在は対米で3%超劣後しており、割安感が強まっています。経済外的リスクは先が読みにくいため、市場参加者が最悪ケースを織り込みに行くことが往々にしてあります。しかし、現実には最悪も最良も可能性は低く、織り込んだ後は適正と考えられる状態に向けて戻す可能性が高まります。加えて、欧米金融当局が、景気減速や市場の動揺を注視して緩和方向に傾いていること、経済外的リスクは選挙等のイベントをこなしつつ収束していくと見込まれることから、割安感がある現在が投資機会と考えます。

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※米国ハイイールド債は、ICE BofAML US High Yield Constrained Index、欧州ハイイールド債はICE BofAML European Currency High Yield Constrained Indexを使用

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