ユーロ圏の11月物価・10月雇用~金融政策、為替相場への影響は?
2018/12/03
<投資信託>
- 11月HICPは総合が前年同月比+2.0%、コアが同+1.0%と、実質的な低位での推移が続きます。
- 10月失業率は8.1%と、最近数ヵ月横ばいです。失業者数も小幅増に転じ、環境改善は足踏みです。
- 金融政策の方向は不変も、当面は景気減速受けてやや慎重化、ユーロ相場は横ばい圏が予想されます。
若年層にしわ寄せ、賃金は増加傾向維持か
11月30日、Eurostat(EU統計局)が発表した11月のHICP速報は、総合が前年同月比+2.0%、コアは同+1.0%でした。いずれも10月から小幅低下しました。エネルギーが前年同月比+9.1%と、前月の同+10.7%から低下、ウエイトの高い(44.4%)サービスが同+1.3%と、同じく+1.5%から低下し、総合はこの2点で、コアはサービスでほぼ動きが説明されます。インフレは表面的には目標に到達していますが、コアを見る限り、実質的には低位での推移が続きます。
また、10月の失業率は8.1%でした。4ヵ月連続同水準です。失業者数が前月比+1.2万人と、15ヵ月ぶりに増加しました(9月は同+0.2万人から-0.4万人に修正)。25歳未満の失業者数が同+3.2万人、3ヵ月連続増加(累計+8.0万人)です。若年層の雇用環境にしわ寄せがきている様子が鮮明です。ただし、25歳以上では失業者数減少が続いており、雇用は依然として需給がひっ迫しているため、賃金増加の流れは当面続くと見込まれます。
弱い景況感からユーロは当面横ばい
ユーロ相場は、景況感の後退で先行き金利上昇期待が後退し、秋口以降対ドル中心に下落傾向が続いていましたが、足元は下げ止まっています。ただし、反転上昇の流れにはなっていません。
11月の景況感指標は引き続き弱く、ユーロ圏のPMI(購買担当者景気指数)は総合が約4年ぶりの低水準です(52.4)。金融政策は、19年後半以降にも正常化をさぐる方向で変わっていないと見られますが、足元の減速気味の景気実態から、当面はやや慎重なトーンが目立つと思われます。したがって、ユーロ相場は横ばい圏での推移が予想されます。
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