11月の豪金融政策について~来年に向けた豪ドル相場の展望
- 政策金利は1.5%で据え置きでした。国内景気は順調も低インフレが続き、低金利維持を続けます。
- RBAは、インフレ率は19年に目標圏内に達すると予想、年明け後利上げ論議が出てくると見ています。
- 同時に米利上げ打ち止め論議も出てくると見込まれ、米豪金利差縮小期待が豪ドル高要因と考えます。
見通し達成に向け引き続き低金利維持
6日、オーストラリア〔豪〕準備銀行(以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に据え置きました。16年8月の利下げ以来、過去最低水準での据え置きが続きます。
豪経済は引き続き順調です。9月の失業率は5.0%と今年最低、約6年半ぶりの低水準です。正規雇用の増加が非正規雇用よりも大きく、平均賃金を押し上げる方向に働くと期待されます。また、ここに来て輸出が好調で貿易黒字が拡大しています。地域的にはアジア向け、品目としては鉱物燃料が全体を押し上げています。RBAは金融政策報告書で、19年には+3%の経済成長率と、目標である+2~3%のインフレ率を実現すると予想していますが、当面は低金利を維持することがそれらの達成に最適である、としています。
米→利上げ打ち止め、豪→利上げ開始の気運待ちの展開
豪ドル相場は、さえない展開です。米国経済が好調で、米豪の短期金利差(3ヵ月)は最近1ヵ月で0.45%から0.65%へ拡大、長期金利も1.02%から1.17%へ拡大しました。この結果、米ドル高が進行する形で豪ドル安傾向となりました。また、商品市況の下落も影響したと見られますが、原油中心の下落であったため、鉱物資源の産出が中心の豪州と関係性は薄く、豪ドル相場との連動性は足元は落ちています。
今後の豪ドル相場については、引き続き米国金融政策との関係に影響されやすいと考えます。米国は19年前半までに3回0.75%の利上げが市場予想の大勢(アムンディもほぼ同じ)ですが、年明け後には利上げ打ち止めの議論が今よりも盛んになっていると見込まれます。一方、豪金融政策については、年明け後にも、米国とは逆に利上げの時期が取り沙汰されるようになると見込まれます。米豪金利差が拡大から縮小へ転換する意識されるようになり、対米ドルで豪ドルが反発する余地が出てくると考えます。
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