10月の米国景況感指標について~今後の米国景気、金融政策は?
- PMI、NMI共に前月比低下しました。水準はまだ過去と比べても高水準にあり、企業活動は活発です。
- 生産、新規受注の勢いが一服した一方、在庫環境が改善し、活発な生産活動の持続が示唆されます。
- 米国経済は好調ながら、成長ペースは18年半ばがピークで、今後は徐々に減速すると見込まれます。
引き続き高水準
ISM(全米供給管理協会)は、1日に製造業PMI、5日に非製造業NMIの10月値を発表しました。PMIは前月比-2.1の57.7、NMIは同-1.3の60.3でした。PMIは8月、NMIは9月に、過去最高に近い水準まで上昇し、足元の動きは活動の勢いが一服した感があります。絶対水準としてはいずれも高水準にあり、企業活動が活発なことは変わりありません。
PMI、NMIの構成指標の動きは、納品指数のみが双方上昇でした。製品、サービスへの需要が根強く、在庫がひっ迫している様子が見られます。一般に、企業の在庫状況は、売上や生産に対する比率で測られます。現在、企業(製造業+卸・小売業)の在庫水準は月間の売上・生産の1.34倍です(8月)。過去数年を見ると、16年平均は1.41倍、17年平均は1.38倍であり、在庫は「軽く」なっていると見られます。これは、インフレ率押し上げ要因であると共に、活発な生産活動の持続を示唆します。
19年にかけて+2~3%へ減速
米国経済は引き続き好調が予想されます。アトランタ連銀発表のGDP Now◇によると、PMIまで織り込んだ段階(11月2日時点)で、10-12月期の実質GDP成長率(推計)は前期比年率+2.9%です。7-9月期の同+3.5%と比べると減速ですが、米国の潜在成長率が+2%強とされている状況では、依然高水準と言えます。◇各経済指標から経済成長率(前期比年率)を推計
実質GDP成長率は4-6月期の確報値(前期比年率+4.2%)がピークとなる公算が大きいと見られます。減税効果も徐々に後退してくると見込まれ、19年はこれまでの+3~4%の成長ペースから+2~3%の成長ペースへ鈍化すると予想しています。PMI、NMIは50台半ば辺りに相当します。また、インフレ率は+2%台で定着し底堅く推移すると見込まれます。金融当局が19年前半まで緩やかな利上げスタンスを維持するとの見方も変わりません。
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