メキシコの18年7-9月期GDP速報~為替相場の展望

2018/10/31
  1. 実質GDPは前年同期比+2.6%でした。個人消費主導の緩やかな景気拡大が続いています。
  2. インフレ率の基調は低位安定の一方、通貨価値維持を意識した金融政策が続けられると見込まれます。
  3. 通貨ペソは政治不安で足元は弱い動きですが、安定した経済情勢を背景に底堅いと予想しています

所得環境が改善

10月30日、INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が発表した18年7-9月期の実質GDP(速報)は、前年同期比+2.6%でした。4-6月期と同水準で、緩やかな景気拡大が続いています。

GDPの内訳は未公表ですが、主な経済指標では小売売上高の7-8月平均が前年同期比+4.1%と、4-6月期の同+3.2%から加速しました。一方、鉱工業生産の7-8月平均は同+0.8%と、4-6月期の同+1.4%から減速です。また、貿易収支では、7-9月期は-31.8億ドルで、4-6月期の-36.7億ドルから赤字が小幅縮小です。生産、貿易から企業活動がまちまちなのに対し、個人消費が好調で、成長をけん引したと見られます。所得環境が着実に改善しています。

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為替相場は政治がリスク要因も経済面は追い風

ペソ相場は、新空港建設の是非をめぐって与野党が対立し、政治リスクの増大が懸念されて足元は下落しています。ロペスオブラドール次期大統領は、財政の無駄使いだとして建設に反対です。

こうした中、金融政策は、インフレが安定して推移する中、通貨価値の安定性維持を意識したスタンスが採られており、政策金利はやや高めです。メキシコ中央銀行は、現行の金融政策によって、インフレ率は目標(+3±1%)圏内へ誘導されると想定しています。抑制されたインフレ圧力と着実な景気拡大といった安定した経済環境はペソには追い風と考えられ、政治要因で一時的に下落する局面があっても、基本的には底堅いと考えます。

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