ECB理事会について~ユーロ相場への影響は?
- 政策金利、APP共に据え置きでした。少なくとも19年夏まで低金利維持の方針も変わっていません。
- 当初の予想よりもやや弱い経済情勢という認識となっており、慎重な政策スタンスが続くと見込まれます。
- 雇用増大とインフレ率上昇の流れは続くものの、利上げ観測が出始める時期はやや後ずれしそうです。
貿易摩擦でやや慎重化
ECB(欧州中央銀行)は25日、定例理事会を開きました。政策金利、資産購入プログラム(APP)は据え置きでした。APPによる月間の債券純購入額は、年内150億ユーロで終了、その後は当面残高維持のため、償還分が再投資されます。政策金利は、少なくとも19年夏までは現行水準を維持する方針です。
理事会終了後に発表された声明文では、大きな変化はありませんでした。景気認識について、大勢はECBの見通しに沿っており、緩やかな景気拡大が雇用拡大とインフレ率上昇を促す流れは続くとしています。ただし、当初の予想よりもやや弱い展開になっているという認識も示されており、金融政策については正常化を目指しながらも、実際にはこれまでよりもやや慎重な政策運営がなされることが示唆されます。
微妙に変わる米・ユーロ圏の金融政策の相対関係
ユーロ相場は、足元のやや弱い経済指標に加え、ECBの金融政策スタンスが若干慎重化するのではないかとの見方もあり、対ドル、対円で軟調に推移しています。
引き続き、米金融当局とECBとの金融政策の相対関係が、ユーロ相場に影響を与える展開と予想しています。米利上げについては、打ち止め議論が年末に向けて頻繁になると見込まれ、それ自体ユーロ高要因と見ています。一方、ECBの金融政策スタンスが従来よりも慎重化すれば、利上げ観測が出始める時期がやや後ずれする可能性が高まり、その分ユーロの上昇余地が抑えられると見られます。
アムンディとしても、現時点で1年後はまだ利上げは行われていないというのがメインシナリオであり、利上げ時期は早くて19年後半としつつも、より19年末に近づいたという認識です。ユーロ相場については、引き続きユーロ高方向を見ていますが、早期に1ユーロ1.2ドルを回復する可能性は後退したと見ています。
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