ユーロ圏の9月景況感について
2018/09/25
<投資信託>
- ユーロ圏の9月景況感は全般的に小さい動きでした。底打ちを示した8月から勢いはついていません。
- 製造業の景況感が伸び悩む一方、流通業、サービス業は上昇し、内需主導の景気拡大が示唆されます。
- 下落要因の一巡でユーロは持ち直し。金融政策正常化への期待もあり、底堅い推移が見込まれます。
減速は止まったものの加速はしていない
ユーロ圏の9月景況感各指標によると、8月に底打ちを示したものの、そこから勢いはついていない情勢です。21日にIHSMarkitが発表したユーロ圏のPMI(総合)は、前月比-0.3ポイントの54.2でした。製造業の同-1.3ポイントに対してサービス業は同+0.3ポイントと、ユーロ圏の景気が内需主導で緩やかに拡大していることが示されました。また、24日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比-0.2ポイントの103.7(15年=100)と小幅低下しました。こちらも、業種別の景況感は製造業が低下する一方、建設業、流通業、サービス業は上昇しており、PMIと同様の動きでした。
この他、ZEW指数(期待)は前月比+3.9ポイントの-7.2、センティックス指数は同-2.7ポイントの12.0とまちまちの動きでした。調査対象は、PMIとifo指数は企業、ZEW指数とセンティックス指数は主に投資家ですが、双方とも、年後半のユーロ圏の景気について、年前半のような減速リスクこそ小さいものの、加速していく展望までは描けないのが現状です。
◇ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
米国の金融政策に改めて注目
ユーロ相場は、トルコリラ急落の欧州経済への影響などの悪材料がほぼ織り込まれ、足元は持ち直しています。対ドルでは、トルコリラ急落前の1ユーロ1.17ドル台を2ヵ月ぶりに回復しています。
今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)を25-26日に控え、米金融当局の政策スタンスが改めて注目されます。ただし、大きな変化はないと見込まれ、年末にかけてユーロ圏側に金融政策正常化が現実味を帯び、ユーロが底堅い展開になると考えます。
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