ユーロ圏の8月景況感について
- ユーロ圏の8月の景況感は底打ちの兆候を示しており、年後半の景気再加速を示唆しています。
- 8月のIFO指数は前月比+2.1ポイントと大きく上昇しました。年初来の減速感が払拭された形です。
- 下落要因が一巡してユーロは反発。今後は景気に対する期待もあり、底堅い推移が見込まれます。
全般的に底打ち
ユーロ圏の8月景況感各指標によると、景況感は底打ちの兆候を示し、年後半の景気再加速が期待される動きでした。23日にIHSMarkitが発表したユーロ圏のPMI(総合)は、前月比+0.1ポイントの54.4でした。5月の年初来最低を割り込まず、小幅ながら上昇しました。また、27日にCESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比+2.1ポイントの103.8(15年=100)と大幅に上昇しました。年初からの弱含みから一転して大きく上昇し、景気減速感が一気に払拭された形です。
この他、ZEW指数(期待)は前月比+6.4ポイントの-11.1、センティックス指数は同+2.6ポイントの14.7といずれも上昇でした。PMIとifo指数は企業に対する調査、ZEW指数とセンティックス指数は主に投資家に対する調査ですが、双方とも反発しており、主体的、客観的双方の観点から年後半のユーロ圏の企業活動が活性化する見方が強まっていることが示されたと言えます。
ユーロ安要因は織り込み済みへ
ユーロ相場は、8月半ばから下旬にかけてトルコ情勢の悪化を受けてユーロ売りが拡大し、対ドルでは1ユーロ1.13ドル近辺まで下落しました。しかし、これは一時的で、その後は買い戻しが優勢となり、現在は1.17ドル近辺まで上昇しています。
ユーロ安の背景には、米景気の好調、米金利上昇の影響がありますが、年後半2回0.5%の公算が大きい米利上げはすでに織り込まれていると見られます。一方、景気再加速期待でユーロ圏の金融政策正常化への期待が影響し始めると考えられます。トルコ情勢は依然波乱要因ですが、米欧の金融政策の相対的位置関係の変化から、ユーロは次第に底堅くなっていくと考えます。
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