英国の18年4-6月期GDP速報について

2018/08/13 <>
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+1.5%でした。個人消費が底堅い一方、在庫投資増加も目立ちました。
  2. 1-3月期の減速は一時的との中銀の見方通りですが、先行きの成長ペースは低位が続くと予想されます。
  3. ポンド安は景気下支え要因でもあり、目先弱含みも次第に下げ止まり、もみ合いになると見込まれます

低位安定、EU後の懸念は拭えず

10日、ONS(英国家統計局)が発表した18年4-6月期の実質GDPは、前期比年率+1.5%でした。1-3月期の同+0.9%(同+0.4%から上方修正)から上昇し、年率+1%強の、やや低位ながらも安定した成長が続いていることが示されました。

内需主導の成長で、実質GDPを1.8%押し上げました。そのうち、個人消費が前期比年率+1.4%、総固定資本投資が同+3.4%と底堅い動きで、双方で0.9%実質GDPを押し上げました。また、在庫投資が5四半期ぶりに増加に転じ、0.6%の押し上げ要因となりました。一方、外需は輸出入共に前期比減少となりましたが、輸出減少の度合いが大きく、実質GDPを0.3%押し下げました。

成長率の持ち直しはほぼ中銀(イングランド銀行)の見通し通りで、当面は持ち直し局面が続くと予想されています。ただし、英国経済は、Brexit(EU〔欧州連合〕離脱)後の、欧州内での地盤沈下に対する懸念が拭えず、新規投資が手控えられ、低めの成長が続くと見込まれています。アムンディでは、ユーロ圏が+2%前後の成長見通しに対し、英国は+1.5%前後を予想しています。

201808131

英ポンド相場は徐々にもみ合いへ

英ポンド相場は足元弱い展開です。対ドルの1ポンド1.27ドル台は17年6月以来、対円の141円台は17年9月以来のポンド安値です。好調な景気と、利上げ期待で18年始めまで上昇、Brexitを決めた時点の水準を上回ってきました。しかし、年初からの景気減速で、利上げ期待がやや後退し、ポンド安圧力になってきたと見られます。

市場は、中銀が目指す年1回程度の利上げペースをほぼ織り込んでおり、ポンドの上値余地は乏しいものの、ポンド安は景気下支え要因でもあるため、下値は支えられると見られます。したがって、目先は弱含みも徐々に下げ止まり、もみ合いの展開になっていくと見込まれます。

201808132

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

 

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会