英国の18年4-6月期GDP速報について
- 実質GDP成長率は前期比年率+1.5%でした。個人消費が底堅い一方、在庫投資増加も目立ちました。
- 1-3月期の減速は一時的との中銀の見方通りですが、先行きの成長ペースは低位が続くと予想されます。
- ポンド安は景気下支え要因でもあり、目先弱含みも次第に下げ止まり、もみ合いになると見込まれます。
低位安定、EU後の懸念は拭えず
10日、ONS(英国家統計局)が発表した18年4-6月期の実質GDPは、前期比年率+1.5%でした。1-3月期の同+0.9%(同+0.4%から上方修正)から上昇し、年率+1%強の、やや低位ながらも安定した成長が続いていることが示されました。
内需主導の成長で、実質GDPを1.8%押し上げました。そのうち、個人消費が前期比年率+1.4%、総固定資本投資が同+3.4%と底堅い動きで、双方で0.9%実質GDPを押し上げました。また、在庫投資が5四半期ぶりに増加に転じ、0.6%の押し上げ要因となりました。一方、外需は輸出入共に前期比減少となりましたが、輸出減少の度合いが大きく、実質GDPを0.3%押し下げました。
成長率の持ち直しはほぼ中銀(イングランド銀行)の見通し通りで、当面は持ち直し局面が続くと予想されています。ただし、英国経済は、Brexit(EU〔欧州連合〕離脱)後の、欧州内での地盤沈下に対する懸念が拭えず、新規投資が手控えられ、低めの成長が続くと見込まれています。アムンディでは、ユーロ圏が+2%前後の成長見通しに対し、英国は+1.5%前後を予想しています。
英ポンド相場は徐々にもみ合いへ
英ポンド相場は足元弱い展開です。対ドルの1ポンド1.27ドル台は17年6月以来、対円の141円台は17年9月以来のポンド安値です。好調な景気と、利上げ期待で18年始めまで上昇、Brexitを決めた時点の水準を上回ってきました。しかし、年初からの景気減速で、利上げ期待がやや後退し、ポンド安圧力になってきたと見られます。
市場は、中銀が目指す年1回程度の利上げペースをほぼ織り込んでおり、ポンドの上値余地は乏しいものの、ポンド安は景気下支え要因でもあるため、下値は支えられると見られます。したがって、目先は弱含みも徐々に下げ止まり、もみ合いの展開になっていくと見込まれます。
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