6月の米国雇用統計~金融政策、為替相場の展望
- 6月NFPは前月比+21.3万人でした。月20万人前後の雇用増加が安定して続いています。
- 失業率は4.0%と前月比+0.2ポイントでしたが、労働市場への再参入が多く、内容は悪くありません。
- 着実な利上げ方針が続く一方で、米国経済への信頼感は高く、ドルは底堅く推移すると考えます。
安定した雇用増加に再就職、転職希望増加
6日、米労働省が6月の雇用統計を発表し、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+21.3万人でした。小売業が減少した一方、ヘルスケア、レジャー・接客業、製造業などの増加が目立ちました。前月比増加は93ヵ月連続です。当該期間の月平均増加数は19.9万人、最近6ヵ月では同21.5万人となっており、依然として安定した雇用増加が見られます。
一方、失業率は4.0%、前月比+0.2ポイントでした。失業者数が前月比+49.9万人となったことが直接の原因ですが、非労働力人口が同-41.3万人となっており、再就職を諦めていた人たちが労働市場に再参入したことがうかがわれます。失業の理由を分類した統計によると、「再び就職活動を始めた」の割合が上昇していました。また、雇用者の中でも、より良い条件を求めて現職を辞める「離職」も増加しており、良好な雇用環境ゆえの動きも顕著です。
名実共にインフレ目標到達
民間企業時間当たり賃金(以下、賃金)は前年同月比+2.7%でした。加速はしていませんが、長期間にわたって+2.5%前後の推移が続いていることで、インフレ率を徐々に押し上げています。5月のPCE価格指数は前年同月比+2.3%、コアは同+2.0%となり、インフレ率は名実共に、金融当局の目標である+2%に到達しました。コアの+2%回復は12年4月以来です。
6月12-13日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、年内2回、0.5%の利上げが委員会メンバーの想定の中心でした。今回の雇用統計やインフレ率は、こうした見方を追認する内容と見られ、金融当局は着実に利上げを続けていくと見込まれます。ドル・円相場は、足元1ドル110円台とドル高・円安気味に推移していますが、現在の米国経済に対する信頼感の高さに裏付けられたもの見られ、ドルは底堅く推移すると考えます。
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