6月の米国景況感指標について~7-9月期への展望
- PMI、NMI共に2ヵ月連続で上昇しました。製造業は在庫環境が改善、非製造業は受注が堅調です。
- 4-6月期の景気は1-3月期に対して再加速し、年率+3%台も十分有り得る情勢で、景気は好調です。
- 好調な景気は7-9月期も続くと見込まれます。貿易摩擦が懸念材料ですが、影響は軽微と考えます。
好調取り戻す
ISM(全米供給管理協会)は、2日に5月のPMIを、5日に同NMIを発表しました。PMIは前月比+1.5ポイントの60.2、NMIは同+0.5ポイントの59.1でした。双方とも2ヵ月連続上昇、PMIは4ヵ月ぶりの60超えでした。水準としては、景気拡大期における最高に近く、好調さを取り戻した形です。
構成指数は、PMIは納品指数の上昇が突出していました。水準も68.2と、約14年ぶりの高水準で、受注から納品までの時間がそれだけ長期化していることを示しています。これは、在庫環境改善の一面を示していると共に、物流の余力が狭まっていることも示唆していると見られます。NMIは活動指数と受注指数が堅調で、足元の動きが活発なことが示されました。なお、双方とも雇用指数は小幅低下しましたが底堅い動きです。ちなみに、本日発表の6月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+19万人程度が予想されています。
貿易政策の影響は米国には軽微
アトランタ連銀発表のGDP Now◇によると、PMIまで織り込んだ段階で、4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+4.1%となっています。予測対象の四半期が過ぎた時点でのこの水準は高く、同+3%台も十分有り得る情勢です。
7-9月期以降については、引き続き景況感は好調という見方に対して、米中両国がお互いの輸入品に対する関税強化を発動したことが、不透明要因と考えられます。ただし、総額340億ドルとされる制裁対象額は、米国にとっては輸出全体の1.5%、対名目GDPの0.2%なのに対し、中国にとってはそれぞれ19.1%、3.5%(いずれも17年実績に基づく)と、中国経済に与える影響の方が大きく、米国経済に対する影響は軽微と計算されます。
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