7月の豪金融政策について~政策の方向性と豪ドルの展望

2018/07/04 <>
  1. 政策金利は1.5%で据え置きでした。順調な景気拡大に対して低インフレは変わらず、低金利継続です。
  2. インフレ率上昇はごく緩やかと予想され、RBAは当面、現行の政策スタンスを維持すると見込まれます。
  3. 軟調な工業用商品市況、米金利上昇で厳しい環境も、先進国的側面が豪ドルを下支えすると考えます

コスト増を価格に転嫁しにくい環境

3日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は定例理事会で、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に据え置きました。16年8月の利下げ以来の据え置きが続いています。

国内景気は緩やかな拡大が続いています。インフレ率は、MI_CPIを見る限り、インフレ目標の下限(+2%)近くを推移しています。RBAは年内にもCPIが目標下限の+2%を小幅ながら上回ってくると見ています。ただし、厳しい競争(特に小売セクター)にさらされる中で、コスト増を価格に転嫁しにくい環境にあることから、結果として賃金コストは低位な伸びが続き、インフレ率上昇はごく緩やかなものにとどまると見ています。したがって、RBAは当面、現行の政策スタンスを維持すると見込まれます。

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豪ドルならではの特徴が下支え要因

豪ドル相場は、米金利上昇で米ドルが相対的に強い中、対米ドルは軟調、対円はもみ合いとなっています。また、原油高にもかかわらず、豪経済と関連が深い工業用商品の市況はこのところ軟調で、豪ドルの頭を抑えていると見られます。

豪ドルにとって、引き続き難しい投資環境にあることは変わりありません。米ドル金利が豪ドル金利を0.2~0.3%上回る状況は変わっておらず、米ドル資産へ投資資金がシフトしやすい環境と見られます。一方、豪州は、資源国でありながら、先進国の側面も持っていることから、質への逃避の動きもみられる中、資源国通貨、新興国通貨に対して豪ドルは消極的に選択されやすいと考えます。

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