ユーロ圏の6月物価・5月雇用情勢~金融政策、為替相場の展望
2018/07/03
<投資信託>
- 6月HICPは前年同月比+2.0%、コアは同+1.0%でした。原油高が総合を押し上げ、コアは安定です。
- 5月失業率は8.4%と、08年12月以来の8%台前半です。イタリア、スペインが低下しました。
- 好調な雇用環境からインフレ率は徐々に上昇、金融政策は慎重ながら正常化へ向かうと見込まれます。
コアは依然低位安定
6月29日にEurostat(EU統計局)が発表した6月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+2.0%、コアが同+1.0%と、総合は1年4ヵ月ぶりに+2%台に乗せました。エネルギーが5月の同+6.1%から同+8.0%へと加速したことで押し上げられました。一方、コアは、サービスが、一部動きの大きい品目の鈍化が影響し、5月の同+1.6%から同+1.3%へ低下したことが響きました。
また、2日に発表された5月の失業率は8.4%でした。4月が0.1ポイント下方修正の8.4%となったため、前月比横ばいですが、08年12月以来の8%台前半です。国別で改善が目立ったところは、イタリアが前月比-0.3ポイントの10.7%、スペインが同-0.2ポイントの15.8%でした。失業者数は前月比-12.5万人、10ヵ月連続の減少でした。雇用環境は引き続き順調に改善しています。
金融政策正常化の方向がユーロを下支え
ユーロ相場は、ドイツ政局、米通商政策など、政治面が相場の動きを神経質にしていますが、5月下旬以降、狭いレンジを上下するもみ合いとなっています。好調な雇用環境を背景に、インフレ率が徐々に上昇し、金融政策正常化の方向はより現実的になると予想されます。短期金利上昇が見込まれ、ユーロを下支えすると考えます。
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