オーストラリア(豪)の18年1-3月期GDP~金融政策、為替の展望
- 実質GDP成長率は前期比年率+4.2%と加速しました。外需、民間投資の増加が押し上げました。
- 個人消費は増勢を維持したものの、賃金コストの低位な伸びと債務負担増加などからやや低調でした。
- 企業投資好調を背景に18年は+3%程度の成長が予想され、豪ドル見直しの局面があると考えます。
内・外需双方がプラス寄与
本日、豪統計局が発表した18年1-3月期の実質GDPは、前期比年率+4.2%と、17年10-12月期同+2.1%から加速しました。前年同期比は+3.1%と7期ぶりに+3%台となりました。主な需要項目を見ると、最終消費支出が前期比年率+2.6%と前期の同+5.4%から減速した一方、固定資本投資は同+2.1%と前期の同-3.5%からプラス転換し、企業投資の堅調さがうかがわれました。
また、輸出が前期比年率+10.0%と堅調で、輸入の同+2.2%を大きく上回ったため、外需(純輸出、輸出-輸入)がプラスに寄与し、成長率を押し上げました。1-3月期の貿易動向を見ると、地域別では日本、ASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出が伸び、品目では天然ガスの輸出が堅調でした。RBA(豪準備銀行)の予想では、18、19年と+3%台の成長となっており、今回の動きは当該予想に沿った景気の流れと言えます。
年後半にも金利上昇期待醸成か?
豪ドル相場は、米ドル金利上昇を背景に、2月以降、下落傾向が続いてきました。しかし、商品市況が回復に転じたこともあり、5月以降は底堅く推移しています。
RBAは足元の景気について、企業投資が好調な一方、個人消費については、賃金コストの低位な伸びに、住宅債務の負担が大きいことから、慎重な見方をしています。しかし、先行きについては、粘り強い金融緩和の継続と、世界的な景気拡大の流れを受け、実質GDP成長率予想の達成に加え、インフレ率も目標(+2~3%)の下限を上回ってくると予想しています。企業投資の好調持続だけでなく、個人消費も足元の抑制要因が徐々に和らぐと見込まれ、年後半には年明け後の利上げ再開への期待と共に、豪ドルが見直される局面があると考えます。
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