ブラジル経済の現状について~18年1-3月期GDP
- 実質GDP成長率は前年同期比+1.2%、前期比年率+1.8%でした。緩やかに景気回復しています。
- トラック運転手のストライキの影響で4-6月期は落ち込むおそれがありますが、一時的と見込まれます。
- 国内経済の混乱は収束の方向にあり、株価、通貨レアルは相応の反発余地が出てくると考えます。
個人消費主導の成長
30日、IBGE(ブラジル地理統計院)が発表した18年1-3月期の実質GDPは、前年同期比+1.2%、前期比年率+1.8%でした。17年4-6月期に景気後退を脱してから4期連続の前年比プラス成長となっていますが、今回初めて減速しました。一方、前期比では17年10-12月期から加速しました。
個人消費主導の成長でした。前年同期比+2.8%と、17年10-12月期の同+2.6%から加速し、全体を引っ張りました。一方、固定資本投資は同+3.8%から+3.5%へ、輸出も同+9.1%から+6.0%へ、それぞれ減速し、バラつきがありました。そこに、在庫投資の減少幅の拡大(成長率にマイナス寄与)が全体を押し下げました。アムンディでは、低金利とレアル安によって景気が刺激されるため、18年も景気回復傾向が続き、実質GDP成長率は17年の+1.0%から+2%台へ上昇すると予想しています。
成長持続確認なら株価は割安修正余地、通貨も見直しへ
5月21日、ペトロブラス(国営石油会社)の軽油価格引き上げに抗議して、トラック運転手の全国規模のストライキが発生し、物流に影響が出ています。テメル政権の譲歩によってストライキは収束しつつありますが、物資不足によるインフレ圧力で、4-6月期に一時的に景気が落ち込む可能性があり、足元のレアル安の一因になっていると見られます。
米利上げの影響で新興国の経済、市場環境は全般的に厳しくなりつつありますが、ストライキの収束で、景気の落ち込みが一時的と確認できる兆候があれば、株価は現在かなりの割安状態(向こう12ヵ月ベース予想PERは10.9倍の低水準)に修正余地が出てくると考えます。それは同時に、レアルに対する見直しにもつながり、反転上昇の局面があると考えます。
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