中国の18年1-3月期GDP統計について

2018/04/17 <>
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+6.8%でした。+6%台は11期連続。安定した成長が続いています。
  2. 中央の成長目標は+6.5%で、質を伴った成長を目指しており、緩やかな減速方向と予想しています。
  3. 金融政策は中立ながら市場金利をやや高めに誘導しており、通貨元は底堅く推移すると見ています

経済構造改革推進で、安定成長方向変わらず

本日、中国国家統計局が発表した18年1-3月期の実質GDPは、前年同期比+6.8%でした。3期連続で同水準で、+6%台は11期連続と、安定した成長が続いています。貿易黒字が縮小し、外需がマイナス寄与となる一方、個人消費が堅調で、成長をけん引したと見られます。また、17年前半に伸びが鈍っていた固定資本投資も足元は底堅く、内需主導の成長であったと見られます。

中央は、18年の成長目標を前年と同様+6.5%としています。過剰な生産力や企業債務の整理を続けつつ、個人消費を活性化させるという、前国家主席の胡錦濤の時代から進められている、経済成長の構造(投資偏重)改革を粘り強く推し進める方向にあります。このため、ある程度の減速は容認されていると見られます。最終的には、目標を若干上回る成長率に落ち着くのではないかと予想しています。

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対外バランスにも配慮するスタンスが元を下支え

金融政策は、大筋で中立としながらも、不動産投資や企業投資の過剰を抑制するため、若干引き締め気味のスタンスが採られています。中国人民銀行(以下、中銀)は、今年に入ってから、市場操作の対象としている各種短期金利を0.05~0.1%引き上げました。

元相場は、中銀が市場金利の高め誘導を始めた17年2月以降、対ドルで堅調に推移し、1ドル約6.3元と約2年半ぶりのドル安元高水準となっています。中央としては、米国の対中貿易制裁に反発しつつも、貿易縮小の景気への影響も考慮し、貿易黒字の過度な拡大を防ぐような為替相場の水準を維持する必要もあります。内外双方の事情から、中立もしくはやや引き締め気味の金融政策スタンスは当面維持される公算が大きく、元は底堅く推移すると見ています。

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