インドの金融政策~今後の政策スタンスと通貨、株価の展望
- 政策金利は6.0%で据え置きでした。インフレ見通しが下方修正され、当面は様子見が予想されます。
- 改革の成果で高成長が期待され、市場心理が落ち着けば、ルピーは反発余地があると思われます。
- 株価下落にもかかわらず期待利益成長率は高まっており、反発余地は拡大していると見られます。
高成長+インフレ安定見通し
インド準備銀行(以下、RBI)は4-5日に金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利のレポレートを6.0%に据え置くと発表しました。17年8月に利下げしてから、4会合連続の据え置きでした。
インドは、17年10-12月期の実質GDP成長率が前年同期比+7.2%と5期ぶりに+7%台を回復し、モディ政権による改革の効果が表れ出しています。一方、インフレは安定しています。2月のCPIは前年同月比+4.4%と、インフレ目標(+4±2%)の中心を若干上回る程度で、RBIは18年度(日本と同じ4-3月)前半は+5%前後、後半は+4%台前半で推移するとし、前回会合(2月)で18年度前半が+5%台前半、後半が+4%台半ばが中心としていた見通しを下方修正しました。17年末時点で台頭していた利上げ観測は大きく後退し、現在では、RBIは当面様子見と続けるとの見方が強まっています。
調整はほぼ一巡
通貨ルピーは、世界的な資本市場混乱を受け、リスク回避的な動きから、大幅に下落しています。対円では年初来高値の1ルピー1.78円から10%弱下落の1.61円を付け、現在は1.65円です。また、株価(SENSEX指数)も同じく10%強下落しました。
ただ、改革の効果が次第に顕在化し、経済成長が押し上げられるのはこれからです。米利上げの行方や米中間の貿易摩擦など、米国の政策に対する不透明感が根強く、目先は波乱含みの展開を余儀なくされるものの、通貨、株価共に調整はほぼ一巡し、反発の素地が整ってきたと思われます。特に株価については、下落途上でも企業の期待利益成長率が着実に上昇しており、反発余地が拡大していると見られます。市場心理の落ち着きが待たれるところです。
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