ユーロ圏の3月物価・2月雇用情勢

2018/04/05 <>
  1. 3月のHICPは前年同月比+1.4%、コアは同+1.0%と、依然インフレ目標を下回っています。
  2. 2月の失業率は8.5%と約9年ぶりの低水準です。域内全般で雇用環境の改善が続いています。
  3. ユーロ相場は底堅いものの、政治・地政学リスクが注目される中、対円では波乱含みと思われます

雇用改善と低インフレの傾向変わらず

4月4日、Eurostat(EU統計局)が3月のHICPを発表しました。総合は前年同月比+1.4%、前月比+0.3ポイントと、4ヵ月ぶりの加速となりました。食品・酒類・タバコが同+2.2%、同+1.2ポイントで、対総合+0.2ポイントの寄与でした。一方、コアは同+1.0%、横ばいでした。サービスが同+1.5%、+0.2ポイントながら、財が同+0.2%、-0.4ポイントとなり、両者で相殺されました。インフレは緩やかで、ECB(欧州中央銀行)が掲げる目標(+2%弱)を依然として下回っています。

また、同日発表された2月の失業率は8.5%と前月比-0.1ポイント、失業者数は前月比-14.1万人で22ヵ月連続の減少となりました。フランスが8.9%と約9年ぶりに9%を割り込んだほか、オランダが4.1%で同じく9年ぶりの低水準、ドイツが3.5%で東西統一後過去最低で前月比横ばいなのをはじめ、発表済みの17ヵ国中、前月比上昇したのは2ヵ国のみで、域内全般で雇用環境が改善したことがうかがわれます。

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底堅い相場も対円はやや変動大きい

ユーロは、好調な景気を背景に対ドルで底堅い一方、ドル安・円高進行の影響で、対円では下落しています。しかし3月は、市場が幾分落ち着き、底堅くなっています。政治・地政学リスクが注目される中、円がリスク回避先の通貨に利用される傾向は根強く、まだ波乱含みの展開を余儀なくされると思われます。

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