南アフリカ、8ヵ月ぶりの利下げ~ランド相場の展望
2018/03/29
<投資信託>
- 政策金利は0.25%引き下げられ6.5%となりました。インフレの安定を政策に反映させた形です。
- SARBはインフレ見通しを下方修正、今後の利上げペースについてより緩やかな見通しとしました。
- 通貨ランドの相場は、改革の着実な実行によって、安定した経済が見通せるかどうかがカギになります。
インフレ率の上昇は限定的
南アフリカ準備銀行(以下、SARB)は、26-28日にMPC(金融政策委員会)を開き、政策金利を0.25%引き下げ、6.5%としました。直近ピーク(7%)からは2回目、昨年7月の会合以来8カ月ぶりの利下げです。
今回の利下げについてSARBは、インフレ期待の低下を挙げています。インフレ見通しは、18年は+4.9%と前回会合(1月)から据え置いた一方、19年は+5.4%から+5.2%へ、20年は+5.5%から+5.1%へ下方修正しました。これまでの景気低迷や、18年末近くからのランド相場上昇が影響したと見られます。さらにSARBは、今後の政策金利について、前回会合時点の、19年までに0.75%の利上げとの見通しから、年内は様子見、19年は0.25%、20年は0.5%と、より緩やかなペースに修正しました。
対外的な信用の改善が課題
ランド相場は、政権交代の期待が高まった17年11月頃から反発が始まり、対円相場は当時の1ランド7.8円程度から、現在は9.0円前後と大幅に上昇しました。ズマ氏からラマポーザ氏への大統領交代で、新政権による構造改革推進に対する期待が高まり、ランド相場反発の原動力になってきました。金融政策よりも政治の影響が大きそうです。
新政権は付加価値税(VAT)率引き上げや歳出抑制によって、対外的な信用の改善を目指しています。3月23日、大手格付け会社ムーディーズはこれを評価し、政府債務格付け(Baa3、投資適格級の最低)の見通しをネガティブ(今後1~2年で格下げの可能性あり)から安定的に引き上げました。これはランド相場にとってプラスです。ただし、SARBは改革の実行と成果が重要とし、ランド相場のさらなる上昇には慎重です。当面は小動きの展開になると見込まれます。
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