ユーロ圏の2月景況感について
2018/02/23
<投資信託>
- 2月のIFO指数は前月比-1.2ポイントでした。ユーロ高の影響がより強く出てきたと見られます。
- PMIでは、製造業の低下に加えて、1月に急上昇したサービス業の反動的な低下も大きく影響しました。
- ユーロの割高感は軽微で、企業活動への影響は限定的と見られ、景気は好調さを維持しそうです。
企業業績に懸念
2月のユーロ圏景況感指標は前月比で低下しました。独調査機関CESIfoが発表したドイツ企業景況感指数(IFO指数)は、前月比-1.2ポイントの115.4と、5カ月ぶりに低下しました。現況指数は同-1.5ポイント、期待指数は同-2.9ポイントと、先行きに対する楽観度の後退が大きく、ユーロ高進行の、輸出や、製造業を中心とした企業業績への影響を懸念する動きと見られます。
その他の景況感指標では、PMI(総合)の反落が目立ちました。総合は前月比-1.3ポイントの57.5と、4カ月ぶりに低下しました。製造業が2カ月連続で低下したのに加え、サービス業が大きく上昇した1月から一転低下に転じたことが、低下幅を大きくした形です。
為替相場は好調な景気実態を織り込みか
景気拡大ペースの予想以上の速さが好感され、ユーロは17年初め以降、上昇が続いてきました。対ドル上昇率は約18%に達し、企業業績の先行きが懸念されるのも無理ないでしょう。
これは、ユーロ圏経済の好調さが為替相場に織り込まれつつあることを意味し、ユーロの上昇余地は狭まってきたのではないかと思われます。しかも、ユーロ発足後のユーロ・ドル相場の平均値は1ユーロ1.21ドル程度と、現在の水準がそれほど割高には見えません。企業業績へのダメージは実際はさほど大きくなく、中長期的に見た景気の好調さは崩れないと考えられます。
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