英国の金融政策~今後の政策スタンスとポンドの行方は?

2018/02/09 <>
  1. 政策金利は0.5%で据え置かれました。インフレ率、景気に対する見方は大きく変わっていません。
  2. ただし、足元の好調な景気による国内的なインフレ圧力の高まりを、BOEは警戒しているようです。
  3. 年1回ペースの利上げが向う3年間続くとの見方から、金利上昇期待がポンドを下支えしそうです

予想以上に底堅い景気に警戒感

イングランド銀行(英中銀、以下、BOE)は、7日にMPC(金融政策委員会)を開き、8日、政策金利0.5%と、APP(資産購入プログラム)の据え置きを発表ました。

12月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比+3.0%と、インフレ目標の+2%を11カ月連続で上回りました。これは、Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)決定後のポンド安の影響と見られます。今後は、予想以上に底堅い英国経済の下で通貨ポンドが堅調に推移していることで、やがてインフレ率を押し下げる一因になると見られます。ただし、足元の好調な景気が、賃金の伸び加速を通じ、国内のインフレ圧力を高める可能性にBOEは警戒感を示しており、声明文では、状況次第では利上げを早めたり、幅を大きくしたりする可能性を指摘しました。

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BOEはごく緩やかながらも利上げ継続を示唆

また、同日、インフレーションレポートが発表されました(四半期毎発表)。現在のCPI上昇率と実質GDP成長率の見通しに基づくと、年内にも0.25%の追加利上げ、その後も年1回ペースで利上げとの見方が示されました。Brexitによる景気への影響は依然不透明ですが、条件なしのEU離脱(ハードBrexit)のリスクが後退しているとの見方から、むしろ金利上昇期待がポンドを下支えしそうです。

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