インドネシアの金融政策~4カ月連続政策金利据え置き
- 政策金利は4.25%で、4カ月連続の据え置きでした。景気、インフレ率共に安定し、様子見を続けます。
- 先進国の金融政策動向や原油価格を注視しつつも、安定した経済環境の維持が見込まれています。
- インフレ安定と対外信用の改善が通貨ルピアを、好調な企業業績と資金流入が株価を支えそうです。
インフレなき安定成長の享受が続く
17-18日、インドネシア銀行(BI、以下、中銀)の定例理事会が開かれ、政策金利であるBIレート(7日物レポ金利)は、4カ月連続で4.25%に据え置かれました。
インドネシア経済は、引き続き「インフレなき安定成長」を享受しています。12月CPIは、総合は前年同月比+3.61%と、11月から加速したものの、コアは4カ月ぶりに再び+3%を割り込む(+2.95%)安定を見せました。また、消費マインド、企業景況感双方とも良好です。中銀は18年の実質GDP成長率見通しを+5.1~5.5%とやや強気に置きながら、インフレ率を目標の+3.5±1%の範囲にとどめることに自信を示しています。なお、リスク面としては、先進国の金融政策正常化の流れのほか、このところの原油価格の上昇加速を挙げています。
ルピアの安定推移変わらず、業績好調で株価は底上げ
ルピアは、世界同時的な景気拡大の下、新興国経済全般の好調さが評価される形で底堅く推移しています。米利上げ懸念によるルピア安ドル高も、年明け後ひと段落しました。金融緩和スタンスの維持や、国際収支改善と潤沢な外貨準備を背景とした対外信用の改善は、引き続きルピアにとって追い風です。
また、物価安定で低金利が続く中、企業業績も好調で、代表的な株価指数であるJCI(ジャカルタ総合指数)は、昨年10月に初めて6000ポイントに乗せると上昇ペースを速め、現在は6500ポイント近辺です。それでも、予想PER※は16倍台とそれほど高いわけではなく、上昇基調が続く公算が大きいと思われます。投資環境の良好さを評価した海外からの投資資金流入も引き続き順調であり、株価の底上げを支援すると期待されます。※PER(株価収益率)=株価÷1株当たり利益(EPS)
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