インドネシアの金融政策~3カ月連続政策金利据え置き
2017/12/15
<投資信託>
- 政策金利は4.25%で、3カ月連続の据え置きでした。景気、インフレ率共に安定し、様子見を続けます。
- 米利上げ、中国経済減速等のリスク要因もある中、5%程度の成長ペースが維持される見通しです。
- インフレ安定と対外信用の改善が通貨ルピアを、好調な企業業績と資金流入が株価を支えそうです。
多くの面でインドネシア経済の安定を示す
13-14日、インドネシア銀行(BI、以下、中銀)の定例理事会が開かれ、政策金利であるBIレート(7日物レポ金利)は、3カ月連続で4.25%に据え置かれました。
インドネシア経済は「インフレなき安定成長」が続いています。実質GDP成長率は最近3年ほど、前年同期比+5%前後で安定して推移しています。CPIは、最近2年ほど、+3%台を中心に推移し、インフレ目標の範囲内にとどまっています。経常収支は、赤字ながら対名目GDP比は低水準であり、外貨準備高は過去最大レベルに増加しており、輸入の3カ月程度とされる健全ラインを大幅に上回る8カ月台となっています。こうした、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善が通貨ルピアを安定させ、株価上昇にも寄与していると見られます。
ルピア調整は一巡、株価は業績拡大につれ上昇か
ルピアは、米金利の上昇期待で夏場からやや調整していますが、過去のルピアの動きと比べれば十分安定した動きです。また、主要株価指数のジャカルタ総合指数は史上最高値を更新し、初めて6100ポイントを上回りました。
前述のとおり、ルピアは、インフレの安定と対外的な信用改善を背景に、今後も底堅く推移しそうです。対円は、ドル・円相場の動きに影響を受けるものの、ドル・円相場は、当面は一方的な動きを予想しにくく、ルピア・円相場は安定して推移しそうです。また、株価は好調な企業業績見通しが支えます。EPS(1株当たり利益)成長率が、今後3年で年平均+16%との予想がコンセンサスとなっており、「インフレなき安定成長」が続けば、海外からの投資資金流入も続き、今後も高値を更新していくことが期待されます。
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