オーストラリア(豪)の17年7-9月期GDP~金融政策、為替の展望

2017/12/06
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+2.4%、個人消費が伸び悩む一方、設備投資が下支えしました。
  2. 雇用環境改善でも債務負担増が個人消費にとって重し、金融政策は低金利維持が示唆されます。
  3. 債務負担増加の一巡で、18年は+3%近い成長が予想され、豪ドル見直しの局面もあると思われます

個人消費はコンスタントな成長から一転見劣り

本日、豪統計局が発表した17年7-9月期の実質GDP成長率は、前期比年率+2.4%と、4-6月期の同+3.8%から減速しました。個人消費が同+0.6%と約5年ぶりの低水準となり、4-6月期までのコンスタントな回復から一転大きく減速した形です。一方、固定資本投資は同+7.4%と、4-6月期の同+1.8%から急加速でした。特に民間投資がけん引しました。

個人消費の停滞には、住宅投資に係る債務負担の増加が挙げられます。中央銀行(RBA:豪準備銀行)も個人の債務が拡大していることを懸念材料としていました。ただし、条件の厳格化等によって債務負担増加は一巡しつつあります。IMF(国際通貨基金)は、17年は前年比+2.2%と減速するものの、18年は+2.9%に回復するとしています。

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景気抑制要因の改善が豪ドル見直しのカギ

豪ドルはこのところやや弱い展開です。比較的連動性の高い工業用商品の市況の頭打ちのほか、米国で利上げが継続される公算が大きいことが背景にあります。

足元の経済状況を受け、RBAが金融緩和スタンスを当面続けるとの市場の観測も、豪ドルの上昇を抑えていると見られます。当面は商品市況や、関係の強い中国経済の先行き不透明感などから、豪ドルは方向感のない展開を余儀なくされると思われます。しかし、個人の債務負担増加が一巡し、成長が上向けば、先行きの金融政策について、緩和姿勢の後退を予想する向きも出てくると期待されます。その場合は豪ドルが見直される局面も出てくると思われます。

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