南アフリカの17年7-9月期GDP~ランド相場への影響は?

2017/12/06 <>
  1. 177-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.0%、内需主導でプラス成長が維持されました。
  2. 業種では農業の復調が著しく、そのほか、鉱業、製造業、金融保険業と、主要産業が好調でした。
  3. 政局不安などから不安定だった通貨ランドですが、景気回復が下支えし、足元では安定しつつあります

主要産業中心にプラス成長支える

5日、南アフリカ統計局が発表した17年7-9月期の実質GDP成長率は、前期比年率+2.0%、前年同期比+0.8%でした。4-6月期に景気後退から脱し、個人消費、固定資本投資など、内需主導の成長を示しました。業種別では鉱業、製造業、金融保険業など、南アフリカの中心的な産業の回復が目立ちました。

南アフリカ準備銀行(SARB)は、17-19年の実質GDP成長率を、それぞれ+0.7%、+1.2%、+1.5%と、緩やかな加速を予想しています。南アフリカは、電力供給など産業インフラの整備が十分とは言えないほか、構造的に大量の失業を抱えるなど、新興国並みの成長(平均で+4%台)を達成するには思い切った改革が必要と思われます。それでも、ひとまず成長軌道に乗ったことは評価できる点です。

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政情安定が本格的なランド回復の条件

南アフリカの政策金利は、景気底打ち直後の17年7月に7.0%から6.75%に引き下げられました。景気後退によるCPI鈍化が背景にあったと見られます。足元も緩和スタンスが維持されており、本来ならば先行き景気回復期待から、ランドは上昇してもおかしくない局面です。

ランド回復の要件として政情安定が挙げられます。ズマ大統領が汚職疑惑で求心力が低下していることは、ランドにとってマイナスです。与党ANC(アフリカ民族会議)の総裁選を16日に控え、ズマ氏は敗色濃厚です。総裁交代となれば人心が一新され、ランドが見直される局面もあると思われます。

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