インドの17年7-9月期GDPについて

2017/12/01
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+6.3%と6期ぶり上昇です。GST、高額紙幣撤廃の影響は一巡です。
  2. テクニカル要因もあり、成長率は17年に減速するものの、18年は再び+7%台を回復しそうです。
  3. 景気減速が一巡したことで追加利下げの可能性は低下、通貨、株価にはプラスに働くと思われます

民需の伸びが回復

11月30日、インド統計計画実行省が発表した17年7-9月期の実質GDP成長率は、前年同期比+6.3%でした。16年1-3月期から減速が続いていたインド経済は6期ぶりに加速しました。

7-9月期は、当初はインド初の統一的な間接税であるGST(財・サービス税)導入直後で、経済活動が一部滞り、鉱工業生産の伸びが鈍化したものの、早期に持ち直しに転じました。需要項目別に見ると、個人消費が前年同期比+6.5%と4-6月期の同+6.7%から減速したものの、固定資本投資が同じく+1.6%から+4.7%へ加速しました。両者合計では同じく+4.8%から+5.8%へと加速しました。これは3期ぶりの加速です。

16年11月の高額紙幣廃止以来続いてきた民需の減速傾向ですが、成長性の高さを背景に、企業活動を中心に影響が一巡してきたと見られます。また、テクニカルな成長率押し下げも一巡し、18年には再び+7%台の成長ペースを取り戻すと予想されます。

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本来の実力を取り戻す動きを好感

経済が本来の実力を取り戻しつつあることに、市場は好感して反応しており、通貨ルピーは底堅く推移し、代表的株価指数のSENSEX指数は33000ポイントを初めて突破して推移しています。

一部観測されていた、追加利下げの可能性が後退し、景気回復の見通しから企業業績見通し予想は依然上向く方向にあります。これらは通貨、株価共にプラスに働き続けると期待されます。

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