豪、金融政策は様子見が続く~豪ドルの行方は?

2017/11/07 <>
  1. 政策金利は1.5%で据え置きです。景気、インフレの状況は大きく変わらず、様子見が続きます。
  2. 雇用環境が良好でも賃金の伸びは引き続き低く、住宅債務の負担増加に配慮した政策スタンスです。
  3. 米金融政策の正常化、工業用商品市況の両にらみで、豪ドルは当面方向感のない展開となりそうです。

家計の債務負担増を考慮

本日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月以来、据え置きが続いています。

国内景気は緩やかな拡大が続いており、雇用環境は良好です。9月の失業率は5.5%で、5月に並ぶ年初来最低水準です。しかし、賃金は前年比で+2%を割り込む低い伸びとなっており、低金利で家計が積極的に購入した住宅に係る債務負担が相対的に大きくなっています。インフレ率は目標(+2~3%)を下回る低水準ながら、下振れリスクは小さくなっていると見られ、米国、ユーロ圏のように、ある程度政策金利の正常化を図ってもよい状況とも思われますが、RBAは家計の状況に考慮して、低金利を当面維持する姿勢です。

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商品市況と米金融政策を両にらみ

豪ドル相場は、比較的連動性の高い工業用商品の市況が頭打ちとなったことや、米国での金利上昇期待の拡大から、対米ドル、対円共にやや弱い動きです。

米国では、18年も複数回の利上げが予想されています。RBAが政策金利の据え置きを今後も継続すれば、現在0.2~0.3%米国を上回っている豪長短金利が、米長短金利に逆転されることが予想されます。これは、豪ドルにとってマイナスです。一方、世界的な景気の上振れから、工業用商品市況は今後、底堅く推移すると期待され、こちらは豪ドルにとって追い風と思われます。したがって、豪ドルは当面、双方の動向をにらみながら、方向感の乏しい展開となりそうです。

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