FOMC~今後の利上げ予想とドル・円相場の行方

2017/11/02
  1. FF金利誘導水準は1.0-1.25%に据え置き、米国経済に対する当局の自信はより深まっているようです。
  2. FOMCメンバーの予想では、18年の利上げ回数は2-3回で、実質マイナス金利は解消する方向です。
  3. 市場の予想はFOMCメンバーの予想に近付いており、ドル・円相場は底堅くなっていると見られます

実質マイナス金利解消へ?

10月31~11月1日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれました。政策金利であるFF金利の誘導水準は、1.0-1.25%に据え置かれました。声明文では、8~9月に米国南部を襲ったハリケーンの被害によっても経済活動は堅調に推移していると、前回の評価(緩やかに上向いている)から前進しました。

こうした認識の下、次回会合(12月12-13日)での利上げはほぼ確実になったと見られます。FOMCメンバーによる9月時点の予想では、18年は3回程度利上げされ(年末で1.9-2.4%)る一方、インフレ率は+2%弱にとどまり、実質金利(ここではFF金利-インフレ率)はマイナスを解消する方向です。これに対し、市場の予想は1~2回の利上げがコンセンサスとなっています。

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引き続き当局と市場との見解の差が材料に

注目されていたFRB(米連邦準備理事会)の次期議長については、パウエル現FRB理事が指名されるとの報道が出ています。パウエル氏はややハト派(慎重な政策スタンス)とされており、イエレン現議長の政策スタンスを引き継ぎ、当面は慎重に利上げを進めていくと思われます。

米ドル相場は、9月前半から年内利上げの可能性が高まったとの見方から反発に転じています。ドル・円相場も一時1ドル107円台のドル安・円高水準がありましたが、現在は114円近辺までドル高・円安が進行しています。今年もそうでしたが、今後も、利上げに対する当局と市場の見方の差が相場変動の主な要因として意識されると思われます。このところ、当局の予想に市場が寄せていっていると見られ、足元のドル・円の水準は以前よりも底堅く、110円台半ばを中心としたレンジ相場が想定されます。

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