ユーロ圏の9月雇用・10月物価動向~金融政策、為替相場の展望

2017/11/01
  1. 9月の失業率は8.9%で88カ月ぶりに9%割れ。周辺国の低下が全体を押し下げました。
  2. 10HICP速報は、総合が前年同月比+1.4%、コアが同+0.9%と鈍化。サービスが影響しました。
  3. インフレ率は依然低位が続いていますが、雇用環境はインフレ加速の手前まで来ていると思われます

過去と比べると重要な水準まで低下してきた

10月31日、Eurostat(EU統計局)が発表した9月の失業率は8.9%でした。速報段階なので変わる可能性はありますが、9%を割り込んだのは09年1月以来8年8カ月ぶりです。ドイツ、フランスといった主要国は前月比横ばいでしたが、周辺国の低下が目立ちました。

また、10月のHICPは、総合が前年同月比+1.4%、コアが同+0.9%といずれも9月から鈍化し、低位が続きました。サービスが同+1.2%と前月比0.3ポイント低下したことが影響しました。失業率低下の割にインフレ率が伸び悩む動きですが、09年以前の失業率が9%未満の局面では、インフレ率はHICP総合で+3%台、コアで+2%弱でした。当時、原油高騰で押し上げられていたため、ある程度割り引いて見る必要はありますが、雇用環境の改善でインフレが加速するすぐ手前まで、失業率は低下してきたと思われます。

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金融緩和縮小傾向変わらず

インフレ率が低位であっても、10月26日のECB(欧州中央銀行)理事会での決定どおり、年明け後の国債等購入額削減など、金融緩和が縮小される方向は変わらないことから、市場への大きな影響は出ていません。

今後、過去の実績にならって、雇用環境のさらなる改善がインフレ率上昇につながると、量的緩和終了→マイナス金利解消へと、金融政策への見方が前進する可能性が高まります。その場合、ユーロがもう一段高する可能性は十分にあると思われます。アムンディでは、今後1年で、1ユーロ1.25ドル近辺までユーロ高が進行すると予想しています。

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