英国の17年7-9月期GDP速報~英ポンド相場の展望

2017/10/26
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+1.6%でした。主力のサービス業が安定した増加を見せました。
  2. EU離脱の経済への影響について不透明感が拭えず、18年以降は成長が減速すると予想しています。
  3. ポンドは底堅い景気と利上げ期待で上げてきましたが、景気への不透明感でレンジ相場入りしそうです

EU離脱の影響で減速見通し変わらず

26日、ONS(英国家統計局)が発表した17年7-9月期の実質GDP(速報)は前期比年率+1.6%でした。4-6月期の同+1.2%から回復しました。全体の80%近くを占めるサービス業が安定した増加を見せ、成長を支えました。サービス業の中では金融・事業サービスが好調でした。

足元は底堅い英国経済ですが、先行きに対しては、EU(欧州連合)離脱に対する不透明感が拭えず、慎重な見方がもっぱらです。IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しによると、17年の実質GDP成長率は+1.7%なのに対し、18年は+1.5%と減速です。アムンディも先行きは減速を予想しています(上図参照)。EU離脱を控えて企業による新規投資が手控えられることが影響すると思われます。

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利上げ期待織り込みレンジ相場入りか

英ポンド相場は年初以来、底堅い景気を背景に、対ドル、対円双方でおおむね上昇してきました。9月下旬以降、米国の年内利上げ観測が強まったことから、やや下落しましたが、9月のCPI(消費者物価指数)が前年同月比+3.0%と約5年半ぶりに+3%台に乗せたことで、英国に対する利上げ期待も強まり、対ドル、対円双方で底堅く推移しています。

インフレ率の上昇を受け、中央銀行であるイングランド銀行(BOE)は18年前半にも利上げに踏み切るとの見方が優勢です。ただし、EU離脱の経済に対するマイナスの影響が懸念され、継続的な利上げは予想しにくいとの見方から、利上げ期待を背景にしたポンド上昇は半ば織り込まれたと見られます。当面、ポンド相場は現在のレベルを中心に上下を繰り返すレンジ相場になっていくのではないかと予想されます。

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