ユーロ圏の10月景況感について
2017/10/26
<投資信託>
- 10月のIFO指数は前月比+1.4ポイントで過去最高更新です。消費マインド改善が引っ張りました。
- ユーロ圏の景況感指標はやや重い動きですが、投資家の景気回復に対する根強い信頼感があります。
- 金融緩和縮小の程度をめぐり、ユーロは足元もみ合っていますが、好調な景気が下支えしそうです。
個人投資家の期待大きい
10月のユーロ圏景況感指標は明暗が分かれましたが、全体的には底堅い動きでした。独調査機関CESIfoが発表した10月のドイツ企業景況感指数(IFO指数)は、前月比+1.4の116.7となり、西ドイツ時代も含めた過去最高を更新しました。好調な輸出を背景に製造業指数が上昇、消費マインドの改善で小売業指数も急上昇し、IFO指数を押し上げました。
一方、他の景況感指標は、PMI(総合)※が前月比-0.8の55.9、ZEW期待指数◇が同-5.0の26.7、センティックス指数☆は同+1.5の29.7でした。ZEWの指標はエコノミストなど専門家を調査対象としており、夏場以降のユーロ高や年明け後にも予想されている金融緩和縮小の影響が考慮されたと思われます。センティックス指数は投資家が調査対象ですが、今回は特に、個人投資家の景気の先行きに対する根強い信頼感が指数を押し上げました。
◇ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
金利面でユーロの投資環境は改善へ
ユーロ・ドル相場は、米国の年内利上げ観測の高まり、年明け後にも予想される金融緩和縮小の程度をめぐる思惑の交錯から、足元は1ユーロ1.18ドル前後でもみ合っています。しかし、金融緩和縮小の程度にかかわらず、好調な景気から、金利水準は長期を中心に底上げされると見込まれます。金利面での投資環境が改善し、ユーロは底堅く推移しそうです。
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