オーストリア国民議会選挙の結果について
2017/10/16
<投資信託>
- 中道右派の国民党、右派の自由党が第1、2党となり、反難民色の濃い政権となる可能性大です。
- 移民流入が多い独系3カ国で右派が躍進、EUの難民政策は中間的な解決が模索されつつあります。
- 右派台頭=政治リスク拡大という単純な構図ではなくなり、経済、市場への影響は限定的と思われます。
難民の扱いで現・連立の2党が対立
15日、オーストリアの国民議会選挙が実施されました。投票結果は、中道右派の国民党が前回選挙(13年)の47議席から14議席増の61議席を獲得して第1党となりました。また、現政権で連立を組んでいた社会民主党は、前回選挙で第1党として獲得した52議席で横ばい、第3党に落ちました。
一方、右派でEU(欧州連合)の掲げる寛容な難民政策に強く反対している自由党が前回選挙から13議席増の53議席で第2党に躍進しました。国民党は自由党と連立し、右派・反難民色の濃い政権が成立する可能性が高まっています。国民党は難民受け入れの制限を主張しており、寛容な政策を主張する連立相手の社会民主党との対立が深まっていました。
単純に「右派台頭=政治リスク拡大」ではなくなった?
3月のオランダ、9月のドイツに続き、オーストリアの、いわゆるドイツ系の3カ国の総選挙では、無制限の難民流入に反対する政治勢力が躍進しました。これらは、難民流入が激しかった15年に、それ以前(00~14年)の年平均流入に対し、突出した高い増加を示した国です(ユーロ圏全体〔1.4倍〕に対し、ドイツ〔6.1倍〕、オランダ〔2.9倍〕、オーストリア〔3.4倍〕)。したがって、反難民が先鋭化する素地はあったと思われます。
ただし、難民政策は、排除や無制限受け入れといった両極端な考え方が修正され、一定の制限を加えるといった中間的な解決が模索されつつあります。したがって、欧州各国で選挙を重ねていくにつれ、右派台頭=政治リスク拡大という単純な見方はできなくなったと思われ、それだけ、経済活動の停滞、ユーロや株価の下落につながるリスクは小さくなったと思われます。
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