豪、政策金利据え置き続く~豪ドルの展望

2017/10/03 <>
  1. 政策金利は1.5%で据え置きです。持続的な成長とインフレ目標達成に向けて低金利を維持します。
  2. 雇用環境は良好ですが、賃金の伸びは依然低く、住宅関連債務の負担増加が懸念されています。
  3. 米金融政策の正常化、足元の商品市況伸び悩みから、豪ドルは当面方向感のない展開となりそうです。

政策目標達成に向け緩和維持

本日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月以来、据え置きが続いています。

国内景気は緩やかな拡大が続いています。雇用環境は良好です。正規雇用者は8月までの年初来増加幅が20万人を超えるなど、先行き賃金の伸び率上昇を示唆するような動きになっています。企業の景況感も引き続き好調です。ただし、輸出の伸び鈍化で貿易黒字が縮小しているほか、小売売上高も足元伸び悩んでおり、経済指標の良し悪しにややバラつきが見られるのも事実です。RBAは、住宅価格の高騰で、家計の住宅関連債務の返済負担増加を、持続的な成長を抑制するとして警戒しており、緩和を維持した形です。

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外部環境に影響されやすい展開

豪ドル相場は、9月上中旬にかけて上昇が一巡し、足元はやや調整気味です。年内の米利上げ期待の拡大、足元で商品市況が伸び悩んでいることが背景にあると思われます。

RBAは、当面は現行の緩和姿勢を維持すると見られ、金融政策が豪ドル相場における大きな材料にはなりにくいと思われます。これに対して、米国の金融政策をめぐる市場の思惑で対米金利差の見通しが変化することや、経済のつながりが強い中国の投資需要による商品市況の動きで交易条件が変化することなどに影響されやすいと思われ、比較的狭い範囲で方向感のない展開になると見込まれます。

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