ドイツ総選挙、メルケル政権4期目へ

2017/09/25
  1. 24日に実施されたドイツ連邦選挙は、与党CDU/CSUが議席を減らしながらも第1党を維持しました。
  2. SPDは連立解消を示唆、同盟90/緑の党はFDPとの連立を否定しており、連立の行方は不透明です。
  3. メルケル首相は4期目続投が確定し、欧州の政治リスクは小さく、市場への影響は限定的です。

第1党を維持の一方で国論の分断も示唆

24日、ドイツ連邦議会(下院に相当)選挙が実施されました。内務省が発表した各党派の議席数(暫定)は右図の通りです。連邦議会は定数598ですが、選挙制度の関係で超過議席が発生することがあり、今回は709議席と、前回選挙(13年)の631議席から78議席の大幅増加となりました。

CDU/CSUは前回から65議席減らしましたが、第1党を維持しました。過半数には届かず、これから連立を模索することになります。これまで連立を組んでいたSPDは、シュルツ党首が連立の解消を示唆しています。一方、FDP、Greenによる3党連立も取り沙汰されていますが、企業寄りのFDPとの連立をGreenが否定しています。FDPはメルケル政権が目指すユーロ圏改革(共通予算の創設など)に慎重で、各党の姿勢がバラついており、連立の行方はまだ不透明です。

また、今回の選挙の特徴として、急進的な左右両派が大きく躍進したことが挙げられます。特に、EU(欧州連合)懐疑派で移民の過度な受け入れに反対するAfDが初めて議席を獲得し、しかも、いきなり第3党に躍り出たことは、経済が好調なドイツにあっても、国論の分断がくすぶっていることを示す結果になったと思われます。ただし、国政への影響は限定的と見られます。

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連立に手こずることは国内的なリスク

ともかく、メルケル首相は4期目続投が確定的となりました。連立に手こずるというリスクは残るものの、あくまでも国内的なリスクであり、EU体制自体を危うくする性質のものではなく、市場が混乱に陥る可能性は低いと思われます。むしろ、メルケル政権続投で、改めて欧州の政治情勢の安定が確認され、市場は今回の結果を肯定的に捉えると思われます。

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