英国の金融政策~インフレ警戒、ポンド相場への影響は?

2017/09/15
  1. 13-14日のMPCでは政策金利、APP共に据え置いたものの、インフレ率上昇へ警戒を強めています。
  2. CPIが、BOE8月に示した見通しを上回り続けるならば、利上げが現実味を帯びてきそうです。
  3. 英ポンドは春以降戻り歩調ですが、今後は、景気実態に沿った政策実行が上昇維持のカギでしょう。

インフレ抑制ありきではない

イングランド銀行(英中銀、以下、BOE)は、13-14日にMPC(金融政策委員会)を開き、現行の政策金利(0.25%)と、APP(資産購入プログラム、国債4350億ポンド、社債100億ポンド)を据え置きました。足元のCPIがBOEの掲げる見通しの中央値を上回ってきており、さらに上振れする状況ならば、今後数カ月の間に金融緩和の縮小が適切になるとしています。ちなみに、8月に発表したBOEの見通し通りならば、早ければ18年前半に利上げする可能性が示されています。

しかし、賃金の伸びが依然低く、足元のCPI上昇率を下回っているため、利上げするとしても景気への影響を最小限にすべく、ごく緩やかなものにとどまりそうです。

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上昇余地を試す局面に到達?

英ポンドは、CPIが前年比+2%台に乗せてきた春以降、戻り歩調となっています。インフレ目標を達成し、利上げの可能性が高まったためとみられます。ただ、Brexit直後の水準をほぼ取り戻しており、上昇余地を試す局面に差し掛かっています。

今後は、インフレ抑制ありきではなく、景気実態も考慮した政策が実行されるかどうかが英ポンド上昇維持のカギと思われます。

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※Brexit:英国のEU(欧州連合)離脱        ※Hard Brexit:EU単一市場への特権的なアクセスを失う形でのEU離脱

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