トルコの金融政策~景気回復鮮明で為替相場は?
2017/09/15
<投資信託>
- 政策金利は据え置かれました。インフレ率が足元で再び加速し、引き締めスタンスを維持しました。
- トルコ経済は企業の景況感、外国人観光客数が堅調で、7-9月期も順調に回復していると見られます。
- 市場金利高め誘導の緩和は遠くないと思われ、景況感改善期待が通貨リラの支援材料になりそうです。
インフレ予想も上方修正
トルコ中央銀行(以下、中銀)は14日の金融政策委員会で、一連の政策金利をすべて据え置きました。インフレ沈静化に向けて、もうしばらく様子見する姿勢です。
8月のCPIは、前年同月比+10.68%と、再度2ケタの上昇率に乗せました。コア指数(除く食料、酒・タバコ、金)が同+10.16%と、12年ぶりに2ケタとなり、基調としてのインフレ加速傾向が続いていることが示唆されました。中銀の調査によると、17年末の予想コンセンサスは+9.7%ですが、コンセンサス自体が上方修正方向にあるため、早期に引き締めスタンスが修正される可能性は低いと思われます。
急速に進む経済の正常化が支え
トルコ経済は急ピッチで改善しています。8月の製造業PMIは55.3と、5年ぶりの高水準です。また、クーデタ―未遂騒ぎで減少した外国人観光客数は、7月は前年同月比+46.4%、2年ぶりに単月で500万人を突破しました。夏場は観光の「書き入れ時」なので、景気押し上げが期待されます。
年初からのリラ相場の回復は、景気の改善が背景にあると見られます。これがさらに、インフレ率押し下げ、利下げ期待、さらなる景気回復期待の好循環につながり、リラの支援材料になる展開もそう遠くはないと思われます。
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