ブラジル、8会合連続の利下げ~レアル相場の方向性は?
- ブラジル中央銀行(以下、中銀)が政策金利を、全会一致で9.25→8.25%に引き下げました。
- 食料下落を背景とした18年ぶりの低インフレ率を受け、4回連続の1.0%の大幅利下げとなりました。
- 個人消費拡大による景気回復加速や、構造改革進展を受け、レアルは底堅く推移すると思われます。
4回連続の1.0%の大幅利下げ
5-6日Copom※が開かれ、政策金利のSELIC◇金利が9.25%から8.25%へと8会合連続、全会一致で引き下げられました。4回連続の1.0%の大幅利下げで、引き続き景気を下支えする意向です。
6日に発表された8月のCPIは、前年同月比+2.46%と市場予想を下回り、18年ぶりの低い伸びとなりました。前月比も+0.19%と7月の0.24%から減速、7月中旬の燃料費増税や電気料金値上げにもかかわらず、豊作による野菜価格下落のため、食料(前月比-1.07%)がマイナス方向に寄与しました。中銀目標下限の+3%をも大幅に下回るインフレ低下圧力を受け、過去最悪の景気後退から回復基調にある景気下支えのため、中銀は大幅利下げサイクルを継続しましたが、来月以降の緩和ペースを緩める可能性も示唆しています。
急速なインフレ低下圧力を受けた内需の回復が経済を下支えし、堅調な個人消費がけん引役となり、4-6月期の実質GDP成長率が前年同期比+0.3%と市場予想を上回るなど、良好な経済指標が発表されています。こうした中、メイレレス財務相は、17年の成長率を+0.5→1%と上方修正を示唆するなど、年後半からの成長率がさらに加速する見通しも出てきました。
※Copom(Comitê de Política Monetária):金融政策委員会 ◇SELIC(Sistema Especial de Liquidação e Custódia):決済・預託特別システム
構造改革進展でレアルは底堅く推移
相次ぐテメル大統領の汚職疑惑などに翻弄(ほんろう)され、年金改革法案を柱とする財政改革法案は難航しています。一方、BNDES(国立経済社会開発銀行)の貸出適用金利を適正化する法案が上院で可決され、構造改革の進展につながると市場が好感、通貨レアルは対ドルで続伸しました。
構造改革の進展に対する期待に加え、軟調なドル相場もあいまって、レアルは底堅く推移すると思われます。
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