インドネシア中銀、10カ月ぶり利下げ
2017/08/23
<投資信託>
- 政策金利は0.25%低下し4.5%となりました。やや低めな成長の下、景気刺激的な姿勢を示しました。
- 18年のインフレ目標を0.5%引き下げ、インフレ安定が持続するとの観測も利下げを後押ししました。
- 米利上げ期待膨らまず、ルピア安定で投資資金流入が続くと期待され、株価は堅調に推移しそうです。
インフレなき景気拡大の持続を見込む
21-22日、インドネシア銀行(以下、中銀)の定例理事会が開かれ、政策金利のBIレート(7日物レポ金利)は0.25%引き下げられ4.5%となりました。利下げは16年10月以来10カ月ぶり、過去最低を更新しました。
インドネシア経済は「インフレなき景気拡大」が続いています。7月CPIは前年同月比+3.88%と4カ月ぶりに+4%を割り込むなど低位で安定しています。中銀は、足元の成長ペースがやや低く、インフレ安定に働いているとしており、利下げによって景気刺激姿勢を取りました。中銀の実質GDP成長率見通しは、17年が+5.0-5.4%、18年が+5.1-5.5%であり、17年4-6月期の前年同期比+5.01%は下限にあります。また、中銀は18年のインフレ目標を+3.5±1%とし、17年の目標から0.5%引き下げました。インフレは安定した状態が続くとの見方も利下げを後押ししたと見られます。
資金流出リスク後退
通貨ルピアは、米利上げ期待が膨らまず、投資資金の流出リスクが後退しており、このところ安定して推移しています。このため、投資資金の流入が依然順調です。世界的な景気回復を背景に輸出が好調なことも加わり、外貨準備も潤沢で、これもルピアを支えていると見られます。
株価は、海外投資家による利益確定の売りに押され、史上最高値となった7月初めから調整気味でしたが、投資資金流出リスク後退の見方が強まると共に堅調さを取り戻しています。企業業績見通しは依然明るく、予想PER(株価収益率、12カ月先ベース)は15倍台と、新興国では低めの水準です。利下げによって景気の先行きへの展望も明るくなり、今後、堅調に推移すると期待されます。
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