ユーロ圏の17年4-6月期GDP速報~ユーロ上昇の今後は?
2017/08/02
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前期比+0.6%でした。年率で3期連続の+2%台と、ユーロ圏の景気は堅調です。
- 個人消費と輸出が堅調です。外需(輸出-輸入)の寄与はほぼゼロで、内需主導の成長と見られます。
- ユーロは景気の好調さに加え、強まる金融緩和縮小観測もあり、当面は底堅い推移が予想されます。
内需がけん引、輸出も堅調
Eurostat(EU〔欧州連合〕統計局)が1日に発表した17年4-6月期の実質GDP成長率は前期比+0.6%(年率+2.3%)でした。年率では3期連続の+2%台、前年同期比は+2.1%と、13年半ば以降の景気拡大期で初めて+2%を上回り、ユーロ圏の景気の、先進国での堅調さが目立ちます。
需要項目別内訳は未公表ですが、関連指標では、小売売上高の4-5月平均が1-3月平均に対して+0.7%と個人消費がけん引したと推察されます。また、鉱工業生産は同じ比較で+1.2%と堅調です。世界景気の回復で好調な輸出が背景にあると見られます。一方、好調な内需から輸入も堅調で、外需(輸出-輸入)の寄与はほぼゼロと見込まれます。アムンディは17、18年とも+1%台後半と控えめな予想ですが、景気の足取りはしっかりしていると見ています。
金融緩和縮小のユーロ相場への影響は?
GDP速報発表によって、ユーロ相場が特段影響を受けることはありませんでした。しかし、堅調な景気動向を受けて、ユーロは実態を伴って上昇する方向にあることが改めて示唆されたと思われます。
持続的な景気回復傾向を受け、ECB(欧州中央銀行)は、量的金融緩和の縮小に向けた議論を秋にも始め、年明け後には国債等の購入額を減らすとの観測が強まっています。景気への影響を最小限にするため、慎重に運営されると見込まれますが、量的金融緩和縮小は、ユーロの市場への供給の減少を意味します。通貨需給という面からユーロの希少性が向上し、ユーロは相対的に上昇しやすい状況になると思われます。
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