様子見続く豪金融政策~豪ドル上昇のその後は?
- 政策金利は1.5%で据え置きでした。豪ドル高の経済への影響に注視しつつも、様子見姿勢継続です。
- インフレ率は目標をやや下回るものの、雇用環境改善から今後緩やかに底上げされると見込まれます。
- 米ドル主導の豪ドル高ですが、米金融緩和縮小の流れは変わらず、上昇余地は狭まりつつあります。
良好な雇用環境が徐々にインフレ率を押し上げか
RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は、本日定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月以来、11会合連続の据え置きです。
4-6月期のCPIは前年同期比+1.9%と、+2%を割り込みました。一方、RBAが注目しているトリム平均(変動が大きい品目を除く)は同+1.8%と1-3月期から変わりませんでした。インフレ率の方向性は、目標(+2~3%)をやや下回る低位で、安定しています。一方、雇用環境が改善しています。特に正規雇用の増加が目立ち、現在低迷している賃金の伸びを押し上げると期待されます。RBAは、インフレ率は緩やかに目標圏内に達すると予想しています。また、主力産業である鉱業への投資減少の景気下押し圧力は一巡し、内需主導で+3%程度の安定成長が今後数年で実現されると予想しています。
米ドル主導の豪ドル高の持続性は?
金融政策は、特段豪ドルを大きく動かす要因とはなっていないものの、6月以降、豪ドル高が続き、7月下旬には15年5月以来の1豪ドル0.8米ドル台に乗せました。豪ドル高は、最近加速している米ドル安の一環と見られます。
米ドル安は、今後の利上げに対する慎重な見方や、トランプ政権の混乱などが背景となり、やや行き過ぎている感があります。米ドルの相対的な位置づけを見るドルインデックス(複数の主要通貨の対米ドル相場の加重平均)によると、米ドル高の契機となった米大統領選当時の水準をも大きく下回り、昨年の安値近辺まで下落しています。しかし、米国の金融緩和縮小、緩やかな利上げ継続は変わっておらず、今後、行き過ぎが修正され、豪ドルの対米ドルでの上昇余地は狭まってくる可能性があります。
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