メキシコ、累積10回目の利上げ~今後のペソ相場は?

2017/06/23 <>
  1. 政策金利は0.25%引き上げられ、7.00%となり、累積10回、合計4.00%の利上げ幅となりました。
  2. インフレ率は8年余りの高水準ですが、年末にかけて減速、来年には+3%に収束する見込みです。
  3. 好調な景気見通しや高金利は海外からの投資資金を魅了し、通貨ペソは底堅く推移するでしょう。

インフレ抑制と米国利上げに追随

 

メキシコ銀行(以下、中銀)は、22日の金融政策会合で、政策金利である翌日物金利を0.25%引き上げ、7.00%とすることを決定しました。15年12月から始まった利上げはこれで10回目となり、累積の利上げ幅は4.00%となりました。

年初からの燃料価格や最低賃金の引き上げ、食料値上がりなどを背景に、6月前半CPIは前年同月比+6.3%と、09年1月以来、8年ぶりの上昇率となりました。中銀は、インフレ目標中央値(+3%)の倍以上に加速したインフレを抑制する意志を堅持すると同時に、14日の米国の利上げに追随することで、金利差拡大によるペソ安を阻止する姿勢も示しました。一方で、燃料価格の引き上げ効果が剥落する来年以降のインフレ急鈍化を見据え、これまでの金融引き締めが物価抑制に効果を示していると、強い自信を示しました。

中銀の四半期インフレ報告では、年内はインフレ率が+4%を超えて推移するも年末には減速し、18年末には目標の+3%に収束すると見ています。また、同報告では、強い内需や輸出を背景に、好調となった1-3月期GDPを受け、17年成長率見通しを1.3~2.3→1.5~2.5%へと上方修正しており、好調な景気見通しはペソの追い風となっています。

 

6.23.1

政治的安定がペソ安定のカギ

また、来年の大統領選の前哨戦として注目されていた、4日のメキシコ州知事選では、与党の制度的革命党(PRI)が勝利、これを市場は好感し、ペソは上昇するなど、政治的安定が今後ペソ安定のカギとなると思われます。

一方、1-3月期の海外直接投資額(FDI)が前年同期比+0.6%と、第1四半期として過去最高を記録、好調な景気や相対的な高金利は海外からの投資資金を魅了し、ペソは今後も底堅く推移すると思われます。

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