FOMC、利上げと共に資産圧縮計画発表~為替相場への影響は?
2017/06/15
<投資信託>
- FF金利誘導水準を1.0-1.25%に引き上げました。中期的にインフレ目標を達成するとの判断です。
- 年内に資産圧縮を開始すると発表しました。市場に影響を与えないよう、緩やかなペースで行われます。
- 市場はドル安、金利低下となりましたが、景気への影響は軽微で、早晩下支えられると思われます。
中期的な方向性を重視
13-14日に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、FF金利の誘導水準が0.25%引き上げられ、1.0-1.25%とされました。声明文では、足元ではインフレ率がやや鈍化しているものの、中期的には+2%の目標前後で安定すると判断したことが示されました。FOMCメンバーによる見通しでは、年内はさらに1回利上げされるとの予想です。
また、これと共に、連邦銀行(連銀)保有国債等の圧縮を年内に開始する旨が発表されました。現在は、国債と機関MBS(政府機関の発行したモーゲージ担保証券)の償還分全額を再投資していますが、今後は保有残高が償還によって一定額以上減少した分のみを再投資します。連銀の説明によると、最初は、月間の残高減少額が100億ドル(割合は国債60億ドル、機関MBS40億ドル)を超えた部分を再投資し、その後3カ月毎に100億ドル増加(割合同じ)、最終的(開始1年後)には500億ドル(国債300億ドル、機関MBS200億ドル)とし、必要な保有残高に達するまで続けるというものです。開始時期は明示していませんが、大きな環境変化がなければ9月ないし12月になると見込まれます。
景気の変調がない限りドル、長期金利は下支えられる
市場は、同日発表された5月の小売売上高、CPI(消費者物価指数)が弱く、ドル安、金利低下となりましたが、FOMCの結果発表後は持ち直しています。資産圧縮はごく緩やかであり、景気への影響は軽微と見られます。
上記の両経済指標の動きは一時的なもので、4-6月期以降に景気が盛り返す方向は変わらないと見込まれます。景気の変調がない限り、金融政策の正常化が評価され、ドル、長期金利は下支えられると思われます。
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