南アフリカGDP速報と金融政策、相場の展望
2017/06/07
<投資信託>
- 1-3月期実質GDP成長率は予想外に前期比年率は-0.7%となり、8年ぶりの景気後退となりました。
- 貿易や製造業部門が重しとなり、厳しい雇用環境を背景に、個人消費の低迷が浮き彫りとなりました。
- 政局安定が今後の相場展開のカギですが、新興国市場への資金流入は通貨ランドの追い風です。
予想を覆し、8期ぶりに景気後退入り
6日、南アフリカ統計局が発表した1-3月期実質GDP成長率は、前年同期比は+1.0%と微増でしたが、前期比年率では-0.7%と2期連続のマイナスとなり、8年ぶりの景気後退となりました。
内訳をみると、貿易、外食、宿泊が前期比年率-5.9%となり、GDPを0.9%押し下げる最大のマイナス寄与となりました。同期間の失業率が27.7%と、14年ぶり高水準となるなど、厳しい雇用環境の中で所得が伸びず、個人消費手控えが浮き彫りとなりました。また、経済活動停滞を背景に、石油、化学製品、ゴム・プラスチック製品が振るわず、製造業も前期比年率-3.7%と大きく落ち込みました。
政局不安も、企業や個人の信頼感低迷に追い打ちをかけています。3月に突然の内閣改造を強行し、投資不適格への格下げを招いたズマ大統領に、利益誘導などの新たな疑惑が持ち上がり、野党だけでなく、与党のANC(アフリカ民族会議)内部からも、大統領職追放の動きが出るなど、政局混迷が続いています。結局、大統領不信任決議は行われず、政権交代への期待感後退、市場では失望感から、ランドは売られましたが、政局安定が今後の相場展開のカギとなります。
新興国への資金流入
今回のGDP発表を受けて、ランドは弱含みましたが、フィッチとS&Pの格付け据え置き(投機的で最高のBB+)への好感や、新興国通貨への資金流入の流れを受け、5日には対ドルで2ヵ月ぶり高値近辺で推移していました。
ズマ大統領任期終了に伴い、党首を選出する党大会を12月に控え、当面は政局をにらんだ展開が続くと思われますが、商品市況の反発や高金利を選好する新興国市場への資金流入を追い風に、ランドは底堅く推移すると見込まれます。
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