ブラジル経済の現状と今後の市場の展望~過去最悪の景気後退から脱出
2017/06/02
<投資信託>
- 1-3月期実質GDP成長率は前期比+1.0%となり、過去最悪の景気後退からようやく脱出しました。
- 記録的な大豆の豊作を背景に農業が96年以来の大幅な伸びとなり、プラス成長の立役者となりました。
- 政局不安が最大のリスクですが、実体経済や国際収支の改善による資本流入が期待できます。
過去最悪の景気後退から脱出
1日に、IBGE(ブラジル地理統計院)が発表した17年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比+1.0%となり、8期連続のマイナス成長となった過去最悪の景気後退からようやく脱しました。前年同月比も-0.4%となり、17年通年でプラス成長に転じる可能性も出てきました。
内訳を見ると、大豆の大豊作を背景に、農業が96年以来の大幅な伸びを記録、前期比+13.4%と最大の貢献となりました。不毛地帯とされていたセラードの長年の農業開発が奏功し、世界最大の大豆生産国の米国に肉薄するまでになっています。また、資源価格回復で鉱業もプラスに転じ、経済復調の兆しがみられました。
一方で、次々と湧き起こる政治スキャンダルがブラジル経済の重しです。テメル大統領の汚職疑惑で、財政再建の柱である年金改革法案承認の遅延が市場の最大の懸念材料であり、5月は資本流出が続き、通貨レアル、株価共に荒い値動きとなっています。構造改革の遅れを背景に、格下げリスクも高まっており、景気の二番底を警戒する声も出始めました。
実体経済は上向き
急速なインフレ低下を受け、中銀は6会合連続、累計4%の利下げで、景気を下支えしています。結果、2-4月の失業率(13.6%)は過去最悪の1-3月(13.9%)から一転、3年ぶりに低下となるなど、実体経済にも回復の兆しが見られます。また、好調な鉄鉱石輸出を背景に、5月の貿易黒字も76.6億ドルと過去最高となり、国際収支のさらなる改善も期待できます。
当面は、政局を巡る懸念で一進一退が続くものの、実体経済や国際収支の改善に目が向けられれば、世界景気の底上げを背景に資本流入が続き、レアル・株価伴に堅調に推移すると思われます。
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